ネットvs.リアルの衝突 誰がウェブ2.0を制するか
90年代前半、インターネットがこの世に登場して以来、我々を取り巻く生活は激変し、それに伴って価値観のシフトが見られ、世代間、地域間なので差が見られるようになりました。
テクノロジー、イデオロギー等を包含した言葉である「web2.0」的なものが、インターネット「以前」のリアル、サイバースペースたるネットとの間の軋轢を生んでいます。そして、ネットの向こうにはネット世界を牛耳り王者として君臨したいと欲するプレイヤー達が存在します。
本書はそんな現在の状況を、社会現象をルポタージュすることで分析し、整理しています。つまり、「いま、われわれの周りで何が起こっているのか」を敷衍できる内容となっています。
特に力を入れているのがWinny作者の逮捕にまつわる問題です。コンピュータに詳しくなく、テレビを見ているだけの人たちにとっては、「Winny」というと「著作権侵害や個人情報流出を促す悪のソフト」と思っていることでしょうが、とてもそれだけでは済ませられない背後関係がたくさんあることがわかります。ネット世界のハッカー(クラッカーではない)思想、技術者の挑戦姿勢、P2P技術の功績、リアル世界の警察の思惑、司法の判断、業界の既得権益・・・。
こういった社会現象を説明するのに、実際の技術の説明があったりするのも特徴です。実に理路整然としています。このような突っ込んだことは新聞記者やテレビのディレクターなどには到底できない芸当しょう(笑)
その他には、標準化、google、iPod、日本のIT戦略など、メディア上を踊る(踊った)話題についてくまなく触れています。特に面白いのがガバナンスにまつわる話題。したたかなgoogleやアマゾンの戦略は、知っておいて損はないでしょう。
ネットをよく利用する人も、そうでない人も、双方の立場から読める本です。この手の話題は、たとえ実感や実体験がなくとも知っておく必要があると思うのです。ネットが我々の生活に深く入り込んでいるのはもはや変えようもない事実なのですから・・・
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