ブラスト公論ー誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない
ヒップホップ誌「BLAST」でカルト的人気を誇った座談会連載「ブラスト公論」がようやく初単行本化!ライムスターの宇多丸ら、愛すべきボンクラたちが繰り広げる正論&暴論のハイブリッド雑談芸!便所のお供にぜひ一冊!!
(※帯より転載)
つい最近読んだのですが、今年読んだ本の中での私ランキング暫定1位を差し上げたいです。面白い。ページ数は111ページと薄いのですが、中身が濃いので、一週間くらいかけて読みました。内容に衝撃を受けて、眠れない夜が2、3日続いたほどです。
内容はモテなどの話題を中心に、時事ネタから政治の話までかなり広くカバーしています。中でも自意識に関する問題に対しての宇多丸氏(ライムスター)の発言はとても鋭く、膝を打つことばかりでした。
私は宇多丸氏以外のメンバーは知らなくて、最初は誰が誰だかわからなくなり前の方についているクルー紹介を何度も振り返りながら読み進めて行ったのですが、だんだんとそれぞれのキャラや役割分担もはっきりしてきて、親しみが湧いてきます(一方的に)。終盤の方にかけては、図々しくもあたかも自分がクルーの一員になったような、一緒に居酒屋で語らっているような気分に。
どうでもいいくだらない話から真理へ収束させるその話術は、この5人の知的水準の高さの為せる技なのでしょう。少なくとも私は居酒屋でこんなハイレベルな会話したことないです。思わず蛍光ペンでラインを引きたくなるような、今すぐ盗んで自分のものにしたくなるような名言連発なのですから。
個人的にグッときた言葉
・「それは最早妄想とは呼べないんじゃない?むしろ…計画?」
・「生理的に好き」
・「いやあ、画像っていってもあれはドットの集まりだからさ」
・「おかしいな、俺んちの鏡ではバッチリだったのに」
・「あたかも靴を買う時に値段を気にしなくていい程の金持ち」
・「寒い地方は洋服を着まくればいいけど、洋服を脱ぐのには限界があるから」
・「地動説感覚」(※本にはこう記載されていますが、文脈から判断すると正しくは「天動説感覚」だと思われます)
まだまだありますけど、省略されました。すべてを読むには本屋へ走って下さい。
名言から探せる「パンチライン索引」というのもついていて、これがまた便利。
少し前に、関心空間外の日記で私はこんなことを言ってました。
「家族といるときの自分、友達といるときの自分、恋人といるときの自分、職場での自分、ネット上での自分、ひとりでいるときの自分、どれも違うけれど、どれも本当で、与えられた役割を演じ分けている。そういう意味では私は女優だ。」
みたいなことを。最後の女優ってのがなんともお恥ずかしいですが。
で、本著の「老人の性の巻」で語られている内容を抜粋させていただきますと
宇多丸「性格ってさ、その人の内側に存在するものじゃなくて、関係性の中にしかないものなんだよね。」
「性格は人間の属性じゃない!」
「当人の思う『本当の自分』の方がフィクションなんだよな」
古川「逆に言えば、他人に与える印象が性格なわけだから、自分の本質的なものがあるんだとしたらそれは変える必要がない。」
宇多丸「その『本質』ってなんなんだ、って話ですよ。表面的なものに捕われず『本当の私』を見て欲しい、とか言われてもさ、直接脳と脳を繋ぐわけじゃあるまいし、他人の内面なんて、表面的に顕れたものから間接的に類推する以外に、一体どういう理解の仕方があるわけ?」
このやりとりを読んで、非常に感銘を受けました。もう、雷に打たれたような。
本当の自分はない!
その他タイトルにもなっている
「誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない!の巻」や、
「おしゃれは戦争だ!そして君たちはノイローゼだ!の巻」
「なんだよ安室ぉ~!の巻」
「なにお前、トックが趣味なの?の巻」
などが面白かったです。もちろんまだ他にもありますが、省略されました。すべてを読むには(ry
こちらでチラっと読めるスピルバーグの映画に出てたなんて凄いねぇの巻からもわかるように、いちいちたとえ話が秀逸なんですよ。クルー本人達も言ってた気がしますが切り口が斬新。
6月にamazonで注文して届いたのが初版。2006年3月28日発行ですよ。もっと売れてもおかしくないのに。
肥大して複雑にこんがらがった自意識に悩めるあなたにおすすめの良著です。
少女漫画や小説の世界に浸り過ぎて、妄想癖をこじらせて、実社会にコミットしづらくなってきたと感じる私が教科書にすべきは、この本でした!
あばら屋から狼煙を上げよう!
- 2007/08/14登録
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