くるり / ワルツを踊れ
前奏のあとに続く「ブレーメン」。心にすっと沁み入っていくうた、メロディー。ただそれだけで涙が出そうなくらい、心動かされる「何か」がありました。こんなの、今までのくるりには無かった、と思います。もちろんこれまでもいいメロディーの曲はたくさんありましたが、ここまでのものは初めてです。
続く、「ジュビリー」。これもいい唄が直接心に響いてくる、そんな曲です。それでいて、ストリングスが絡んで複雑な響きを作りあげています。
アルバム全体を包む雰囲気を、この2曲がよく表していると思います。くるりならではの技巧を凝らしたアレンジと、それを上回るくらい、優しく、心に響くメロディー。
これまでのくるりはその前者が前面に出ていたように思うのですが、このアルバムでは後者がそれを上回っているように思います。
くるりはまた新しい次元に突入したのではないか、と思います。
今回、くるりはこのアルバムをオーストリアのウィーンで制作したそうです。収録されている曲にもヨーロッパの雰囲気が随所に感じられます。ヨーロッパ土着の音楽がロックに練りこまれたような「スラヴ」、「アヴェルカ」、広場に建つ時計塔のような感覚を受ける、「恋人の時計」など。
どれも、優しくて、心地よくて、音の重ね方やリズムに技巧が凝らしていて、いい曲だなあと思います。
最後の「言葉はさんかく こころは四角」、これだけはヨーロッパの雰囲気ではなく、日本の、いつもの私たちのよく知っているくるりです。でもやっぱり響いてくるうたはいつもより優しく響いてくる感じ。
この曲は「天然コケッコー」という映画のエンディングに流れる曲で、映画全体を大きく包み込むようで、くるりの曲が映画に及ぼす存在の大きさを感じさせます。
このアルバムはくるりの最高傑作なんじゃないか、とおもいます。全く同じことを、「ワールドエンドスーパーノヴァ」が出た時にも、アルバム「アンテナ」が出た時にも感じたのですが‥
でも、それくらいいいアルバムです。そして、これからも「最高傑作だ!」と思わせてくれる曲を出してくれるのではと期待してしまいます。
- 2007/08/06登録
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