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新宿の目 (新宿西口地下広場)

  • 新宿の目 (新宿西口地下広場)の画像

スバルビル地下1階の壁面に設えられた、巨大なガラスオブジェ。(07.9.1訂正:ガラスではなくアクリル)

新宿駅西口地下広場内、都庁へと向かう動く歩道の入口付近にある。

1969年の作品である。

1966年西口広場の竣工より3年後。
1968年新宿騒乱の翌年。
新宿西口反戦フォークゲリラがこの年の2月~7月。
1970年代以降の新宿副都心の開発、超高層ビルの林立。
そして青島都知事(当時)による西口地下道ホームレス強制退去事件が1996年。
新宿が最も熱かった時代のさなかに生まれ、この街の変遷を今日まで見続けてきた。

瞳の部分の波打ったガラスの内部では、なにかの絵がゆっくりと回転している。その動きが分厚い波ガラスの屈折とあいまって、幻想的に絶えず瞳を潤ませ続けている。目を凝らし覗き込んでみれば、埋め込まれているのは緑の木々と青い空を見上げた絵である。要するにあちらからは俯瞰されてもいるのだということに気付く。正面から見据えられただけでも強烈なインパクトなのに、のみならず神の視点から見下ろされているとは。これではもう参ったというよりほかない。さらには同心円の求心力が、否でも応でもこちらの視線を釘付けにする。
グロテスクで美しく、過剰に力強くもある眼差しである。新宿という街にこれほど相応しいパブリックアートもないのではないか。

1969年の作だという情報が大部分ではあるが、制作者の公式HPでは「1969年」とも「1970年」とも記載されており、正確なところはどうなのだろう。作品制作が69年で、設置が70年だろうか?69年夏の、西口フォークゲリラと機動隊の衝突の場面も見つめていたのかどうか、気になるところだが。


ところで、諸星大二郎という怪奇幻想漫画家がいる。一言でいうと、都市論的な恐怖と狂気、という、伊藤潤二や望月峯太郎などの後の世代へと受け継がれるひとつのジャンルを作りあげた奇才である。

その諸星大二郎の短編『夢みる機械』という作品に、この「新宿の目」が登場する場面がある。
「世界財団ユートピア配給会社」なる、なにやら陰謀めいた地下組織。その秘密の扉が、この「新宿の目」なのである。
ユートピア配給会社セールスマンの名刺を偶然手に入れた少年が、名刺の住所を頼りに単身乗り込む。
ちなみに住所は、「新宿地下街営業所"新宿の目"奥はいる」。
カラクリ屋敷のごとく「新宿の目」がクルッと回転し、少年は陰謀団の巣窟へと滑り落ちてゆく…。

 「新宿地下街の下に さらに地下があるなんて…!?」(少年)

なんともワクワクドキドキさせられる発想だ。

そう思って「新宿の目」の前に立ってはみたけれど、秘密結社の入口はなかった。
そこにはスバルの新宿営業部があるのみだ。

【07.9.1訂正・追記】
うっかり「ガラス」と書いてしまったけれど、マテリアルはアクリル樹脂でした。
誤りをこっそり改竄するのもあれなので、追記しておきます。失礼しました。

新宿の目 (新宿西口地下広場)

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投稿者:
トコイトコイ
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  • 2007/09/01更新
  • 2007/08/13登録
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トラックバック (1)

顔なら新宿にあるよ!って思ったら目でした。

  • 太郎本人 | Tracked: 10.1.19 8:44 pm

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