Le Temps des Cerises
さくらんぼの実る頃
宮崎駿監督作品「紅の豚」のパブのシーン、「さくらんぼの実る頃」を歌っていたのは加藤登紀子さんだ。しかし、単なるラブソングではない。
19世紀後半のパリで初めて、市民による政府が生まれた。当然、旧権力から激しい弾圧を受ける。ヴェルサイユ軍がパリを包囲する。市民はバリケードを築いて抵抗する。そんなバリケードのひとつに、何か手伝えることはないかと若い女性がやって来る。手にサクランボのかごを抱えて。
この曲の詩を書いたジャン=バティスト・クレマンは、その場に立ち会っている。のちに「血の一週間」と言われ、市民の大量虐殺が行われた時期である。彼女もまた、その犠牲になったという。
私たちは、政府を選べることを当然のことだと思っている。自ら選んだにも関わらず、不平不満ばかりだ。政治を市民が手にしてやっと100年に過ぎず、今なおこんな基本的なことさえできない国は身近にも、世界にもあまたある。
今日は「敗戦の日」。「記念」などという言葉を使えるほど、なぜ愚鈍になれるのか。桜桃の季節は過ぎたけれど、この曲は歴史を知る人の心に流れつづける。
※写真はバルバラと並ぶ黒衣のシャントゥーズ、ジュリエット・グレコ「Le Temps des Cerises」。
#夢見るシャンソン。
#French Connection
- 2007/08/15登録
- 5035クリック
このキーワードを共有する
-
トラックバック(0)










