Richard Strauss: Four Last Songs
リヒャルト・シュトラウス「4つの最後の歌」
20世紀を生きた芸術家は多かれ少なかれ国際政治のなかで翻弄される運命にあった。ドイツ出身の作曲家リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss:1864年6月11日-1949年9月8日)もその一人である。わずか4歳上のマーラー(Gustav Mahler:1860.年7月7日-1911年5月18日)が第1次世界大戦の前にこの世を去っていたのに対し、彼は第1次世界大戦、第2次世界大戦を経験、祖国が二度にわたって灰燼に帰していくのを目撃する。
死の前年、1948年に完成した「4つの最後の歌」(Four Last Songs)はヘッセ(Hermann Hesse)の「春」(Fruhling)、「9月」(September)、「眠りにつこうとして」(Beim Schlafengehen)とアイヒェンドルフ(Joseph von Eichendorff)の「夕映えの中で」(Im Abendrot)からなる。
齢84!を迎えていた老作曲家の筆からは「ドン・ファン」(Don Juan)や「英雄の生涯」(Ein Heldenleben)のようなきらびやかなものではなく、穏やかでしっとりとした音楽が紡ぎだされていく。
「夕映えの中で」の詩は次のようにしめくくられる。
O weiter, Stiller Friede!:おお、このひろびろとした静かな平和!
So tief im Abendrot.:こんなに深々と夕映えに染まって。
Wie sind wir wandermude-:旅の疲れが重くぼくらにのしかかっている-
Ist dies etwa der Tod?:ひょっとしたら、これが死だろうか?
(*)訳は[TOCE-7239]のブックレット内の西野茂雄氏による
写真はソプラノがシュワルツコップ(Elisabeth Schwarzkopf)、ジョージ・セル(George Szell)指揮のベルリン放送交響楽団(Radio-Symphonieorchester Berlin)のCDである。
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