いちばんきれいな水
主演は加藤ローサさん。「いちばんきれいな水」を泳ぐシーンがすごく映像がキレイだなぁ。観た後も印象に残っていて、ずっと余韻が残ります。作品全体を包むボサノバのBGMも心をゆるやかにしてくれます。
加藤ローサさん演じる「愛」は童話「眠れる森の美女」のような眠り姫(映画中では、原題まま、いばら姫)です。病気により、8歳のころからずっと11年間眠り続けています。そんな彼女には妹がいて、その妹「夏美」(菅野莉央)は12歳になる中学受験の年頃です。
そんななか、いばら姫が突然目覚めてしまいます。姉は19歳になりますが、8歳の精神年齢のまま。そんな姉に、12歳の妹が逆に姉のように振舞わなくてはいけなくなる、そんな変わったストーリーです。
この物語の実の主人公は妹の夏美です。夏美は真面目すぎるくらい真面目で、現実に、現状に、捉われています。受験とか、友達関係とか、家族関係とか。そこに精神年齢8歳の姉が目覚めて色々と騒動を引き起こしてしまいます。
でも、姉の純粋な行動に引き寄せられて、自分自身も変わってゆく。この物語はそんな彼女の成長を描いています。
この映画は後半になるにしたがって密度が濃くなっていきます。最初観はじめたときは、「普通かな?」と思ったけれども、後半から、ストーリーより、セリフより、映像自体が物語る「モノ」が大きくなっていって、そこに思わず引き込まれてしまう強い魅力がありました。
言葉ではうまく表しきれないけれども、確かに伝わる、ヒトの心を動かす強い魅力。
特に最初に挙げた「いちばんきれいな水」を泳ぐシーンはその頂点で、何か、観ている自分にまで「現実に過ごしているうちに忘れていていた何か」に気付かさせてくれるような、優しいけどもじわっとくる感動があって心が洗われるような思いがしました。
最後に語られる、「愛」が残してくれたメッセージは、今普通に生きている私たちにも前に進む力与えてくれる、そんな想いがしました。
- 2007/09/05登録
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