『天使と悪魔』
ダン・ブラウン
★★☆☆☆
オープニングは、手にした本違ったかと思うくらい『ダ・ヴィンチ・コード』に激似。前作はタイトルにぐっと惹かれて読んだ。
「コード」といえば、最近TVでもやった、我々人類の進化や法治国家の形成、絶えることのない戦争には、人類が持つ爬虫類脳が決定的な役割を果たすという「ジュラシック・コード」も興味深かった、脱線。
今年4月19日にシスティーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がり、サンピエトロ大聖堂の鐘が鳴らされた。コンクラーヴェが始まってから2日目、ヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿がローマカトリック新教皇ベネディクト16世になった瞬間である。
『天使と悪魔』の舞台は、まさにこのコンクラーヴェが執り行われている最中のバチカン。
“ある組織”の“ある人物”が秘密裏に開発した「反物質」。恐ろしい破壊力を持つその「反物質」が何者かに盗まれローマのどこかに仕掛けられた。そしてコンクラーヴェに出席する新教皇候補の枢機卿が次々と惨殺されていく。そのボディには「イルミナティ」と呼ばれる秘密結社の紋章が焼印されていた。
『ダ・ヴィンチ・コード』同様、中世オカルトを語るときに欠かせないフリーメイソンがその主役。このキーワードを聞くと少なからず興味を喚起されるから売れるんだろうな。僕もそのひとり。
登場人物も、プロットも、ストーリーテリングもまさに『ダ・ヴィンチ・コード』なだけにちょっと期待を裏切られた感があるなぁ。食傷。それでもところどころに出てくる歴史上の偉人名や書物にわくわくさせられページを捲る手も進む。
『天使と悪魔』と違い、今回のコンクラーヴェから枢機卿たちがバチカン宮殿内のシスティーナ礼拝堂に閉じ込められることもなくなった。生前に指名されている教皇の逝去に立ち会う枢機卿をカメルレンゴといい、教皇不在時に指示を出す役割を持っているのだが、逝去の確認の方法がちょっと笑える。カメルレンゴが銀のハンマーで教皇のひたいを静かに叩き、洗礼名で数回呼び反応がないことを確認する。
こんな儀式も今はない(bv)。
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