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NICOLA派宣言 (フルセ ニコラ センゲン クリハラ カナモジ キーボード)

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古瀬幸広さんの「ニコラ派宣言」を紹介します。(全文そのまま) ※ 図はニコラとトロンのシフト側

1973年1月4日、「奇人、変人、そして天才」といわれた栗原俊彦・九州大学教授は研究室に斃れた。しかし彼が1960年代に手をつけた仮名漢字変換の研究は、数年後にワープロという新しい生命を与えられ、10年後の世界を変えたのである。その貴重な遺産を、食いつぶしてはならない。

私は迷うことなく、コンピュータを使った日本語による知的生産のためのキーボードとして“NICOLA配列”を支持する。英文タイプライタとの互換性を維持しつつ、ひらがなを打ちやすくした同時打鍵は、電子化時代の奇跡なのだ。そこにはカナモジタイプライタ時代の発想を超えた美しさがある。

私は疑うことなく、キーボード配列の選択は国家百年の計であると考える。1970年代後半の仮名漢字変換の実用化により、日本語の情報化は急速に進んだが、肝腎のキーボードは大正時代の呪縛を依然として背負っている。このままでは早晩、渋滞する高速道路と同じ運命をたどることは明白だ。

そして私は躊躇なく、キーボード選択の自由を主張する。身体障碍者への配慮もなされなくてはならない。キーボードは知的生産の基本的なパートナーである。大切な相棒を企業論理の枷から解き放ってこそ、コンピュータは私たちにやさしい道具たり得る資格を持つだろう。キーボードを選ぶのは、企業でも国家権力でもなく、私たちユーザー自身である。使いやすいキーボードを、私たち自身が選択すること――その積み重ねが世界を変えるのだ。 1992年8月3日

◇NICOLA配列を支持する理由◇
大正時代の実業家・山下芳太郎氏が私費を投じて、アメリカのタイプライタメーカー・アンダーウッドに注文したカナモジタイプライタ。この配列をもとに、1972年に制定された配列が現在のJIS配列(JIS X 6002)である。
JIS配列が誕生した当初は、コンピュータはまだ日本語化されておらず、英数字もしくはカタカナで用いるのが当然であった。したがって、仮名が4段にわたって配列されたJIS配列の「打ちにくさ」が表面化することもなかったのである。

1970年代末にワープロが誕生し、私たち日本人が日本語をキーボードを使って「書く」ようになると、JIS配列の限界が実感されるようになった。そしてその解決策として、1980年代にはいくつもの入力方法・配列が考案されたのであった。

◇生き残った唯一のキーボード◇
これら新方式のなかで、いまなお多くのユーザーを獲得しているものは一つしかない。1980年に富士通が発表した親指シフト配列をもとにしたNICOLA配列こそ、1990年代まで生き残った唯一のキーボードである。それだけでなく、NICOLA配列は現代の知的生産に最も向いたものであると評価できるものだ。

第一に、ひらがなのタッチタイピングが容易である。これがNICOLA配列の最大の長所だ。とくに同時打鍵が素晴らしい。
思考の段階の言葉と打鍵とが、美しく1対1で対応していることが大切なのである。だから使いこむと、「指がしゃべる」快感を味わうことができるのだ。言葉を思いついたとたんに、指が自然と動いて、それを書きとめることができる。

「考えながら打つんだから、早く打てる必要はない。ローマ字入力で十分だ」――こう主張する人も多い。しかし、これは幻想である。問題は速度ではなく打ちやすさなのだ。「ことば」という3音の字句を、3タッチでスムーズに打てるのがNICOLA配列である。JIS配列では4タッチ、ローマ字入力では6タ ッチと、思考と打鍵のリズムがあわない。NICOLA配列は脳にかかる負担が軽いのだ。これが最大の良さである。

現代の日本語は、漢字が減り、ひらがなが増える傾向にあることも見逃せない。仮名漢字変換を用いず、漢字を直接入力することで入力速度を向上させる方式もあったが、ひらがなが増えたいまではその存在意義は薄れてしまった。この方式がNICOLA配列に勝るのは、漢文を入力するときくらいのものである。
第二に、英文タイプライタと互換性がある。したがって、ローマ字入力も可能だ。この点も、NICOLA配列を支持する大きな理由である。
数多く生まれた新配列の中には、英文タイプライタと物理的な形状が大きく異なるものもあった。このタイプの配列を国家的な標準とすることに、私は反対である。日本人が海外に出たとき、あるいは逆に外国人が来日したとき、形状の異なるキーボードに戸惑うようでは、失うものが大きすぎる。

一方、「NICOLA配列は習得するのが難しい」という批判もある。「ローマ字入力なら、覚えるキーの数が少なくて済む」というのだ。この批判は事実ではあるが、的を射たものではない。「難しい」といっても、その差はせいぜい最初の数週間に過ぎないのだ。木を見て森を見ない議論とはこのことではないか。
また、「なかなかマスターできない」のは、練習方法に問題があるからだ。これからマスターのコツを披瀝しよう。私は次に述べるやり方で、英文タイプライタもJISかなもNICOLA配列も、それぞれ約1週間で覚えることができたのである。

◇タイピングマスターの秘訣◇
タイピングのマスターは一に練習、二に練習――これは悪しき日本の精神主義である。特訓さえすればうまくなるというのは、勝手な思いこみに過ぎない。
まず観察から始めよ
指を動かす前に、じっくりとキーボードを観察しよう。どのような仕組みになっているのかを理解することが、非常に大切なのである。練習の前に、配列図を縮小コピーして持ち歩き、頭で配列を覚えてしまうくらいでちょうどいい。
観察すると、次の特徴がわかるはずだ。
NICOLA配列の構造 仮名文字が下3段にすべておさめられている。 左手の守備範囲、右手の守備範囲が色分けされている。 1つのキーに2つの仮名文字がセットされている。 濁音となる可能性のある文字はすべて下段にある。 半濁音は右側に固められている。 句読点(,、。)と中黒(・)も下段にある。
そしてもう一つ、ひらがなが一見して無秩序に並んでいることもわかるだろう。「なぜ、50音順に並べないのか。そのほうが探しやすいのに」という疑問を持つ人もいるが、これは頻度と打ちやすさを考案した結果である。
NICOLA配列では音声言語の統計データをもとに、頻度の高い文字がホームポジションに配置されている。たとえば「今日は弟の運転なのでとっても安心なの」という一文も、すべてホームポジションだけで打てるのだ。

◇「同時」にこだわり過ぎないこと◇
次に大切なのは、文字入力の仕組みを理解することである。順番に解説していこう。できればキーボードを実際に操作して、一つ一つの動作を確かめながら読んでいただきたい。
NICOLA配列の文字入力の仕組み 下段の文字は、そのまま打つ(単色打鍵)。
キーをそのまま打てば、下段に刻印された文字が入る。 上段の文字は、片手の同時打鍵(単色同時打鍵)。
右半分の文字キーと親指右キーの両方を、右手で同時に叩いてやれば、上段(シフト側)の文字が入力できる。左半分も同様だ。これを“単色同時打鍵”と呼ぶことにしよう。 濁音は両手を使った左右同時打鍵(二色打鍵)。
右半分の文字キーと親指左キー、逆に左半分の文字キーと親指右キーとを両手を使って同時打鍵すれば、下段文字の濁音が入力できる。これを“二色打鍵”と呼ぶことにしよう。二色打鍵は、必ず同時打鍵となる。 半濁音は親指左と右手の二色打鍵。
NICOLA配列では、半濁音(ぱぴぷぺぽ)も同時打鍵で入力する。右半分に配置された「ぱぴぷぺぽ」キーと親指左キーとの二色打鍵である。

「きゃ」「きっ」など拗音・促音を除く、ほとんどの日本語の「音」をワンアクションで入力できることがわかるだろう。これがNICOLA配列の優れた点である。
ここで注意しておきたいのは、「同時」にこだわり過ぎないことだ。厳密に同時でなくてもいい。試しに文字キーを早めに打ったり、遅めに打ったりしてみよう。肩の力を抜いて、軽く打つだけで、「同時打鍵」と認識されるのである。

以下、タッチタイピングの練習方法が記されている。古瀬さんのホームページを参照してほしい。
http://www.kanshin.com/keyword/...(古瀬流 タイピングマスター)

oyaoya ♪ 画像 投稿者:
oyaoya ♪
  • 2007/09/11更新
  • 2007/09/08登録
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