À la recherche du temps perdu
失われた時を求めて
高校時代、サルトルの芝居をやった。大学では彼を学ぶつもりで仏文専攻に進んだ。
そんなとき書店で、タイトルだけは知っていたこの本と出会う。全7巻セットで18,000円、だったと思う(淀野隆三・井上究一郎訳、新潮社刊)。当時バイトをしていた新宿高野B1のスーパーマーケットの時給が470円の時代だ。それでも、何とか買ってしまう。
マドレーヌ、サンザシ、スノッブが鼻につく社交界にバイ・セクシャル──どこがおもしろいのか見当もつかない。プルースト自身についても喘息で神経過敏で、生涯コルク張りの自室と療養先を往復していただけだ。どこにシンパシーを見いだす?
だが、放り出せなかった。高価だったせいもあるかもしれない(笑)。紫煙に烟るジャズ喫茶の隅に腰を落ち着けて、読み続けた。そのうちに数軒で“常連”と見なされる。
読了後、卒論のテーマをプルーストに変更する。途中、指導教授が体調を崩されて、他の方になる。原書で読み始めた第7巻「Le temps retrouvé」は、論文を書き終えても読み終えられなかった(汗)。もちろん、仕上りは惨憺たるものだ。何とか卒業だけはさせてもらったが。
いま改めて第1巻「スワンの恋」の奥付をみると、1974年初版発行で79年時点で5刷とある。一度に何部増刷されたのか、定かでないが・・・。そういえば、昨年から今年にかけて集英社文庫から鈴木道彦さんの完訳版(全13巻!)が出ていた。
こんなに社会がめまぐるしく変動する時代に、誰が読んでいるんだろう。と思って頁を繰っていたら、いま読み返すとなかなかおもしろい・・・っと、いかんいかん。
#French Connection
- 商品名: 失われた時を求めて〈1〉第一篇 スワン家の方へ〈1〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
- 価格: ¥930
- 著者: マルセル プルースト
- 出版社: 集英社
- 発売日: 2006-03-17
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- 2007/09/14登録
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