グレース・ケリーヲワスレナイ
グレース・ケリーを忘れない
ハウエル・コナント( Howell Conant /最後の t は発音せず飲み込むのかもしれない/ヘップバーンの写真集も出している)が、モナコ公妃となってからのグレース・ケリーを間近で撮った未公開写真の数かずが、彼女の死後25年を経て、『 LIFE 』誌別冊の Great Photographers Series の一冊《 Remembering Grace: 25 Years Later 》(10.99米ドル;書名に「ケリー」の表記はない)に収められた。したがってシリーズ名からすると、書物としての真の主役は写真家であってもいいのだが、もちろん「読者」は被写体の美しさに、ただただ釘づけになるほかない。
美には完全はない。それにも関わる職種の人間からすると(ぷっ!)、正面観で捉えた彼女――まさに同誌が表紙に選んだ写真のような――は、ほんのすこしエラが張り出し気味で、数ミリそれを削りでもすれば至上の美が出現したわけだが、もちろんそんな言い分は愚の骨頂で、私はこの主張をぐっと飲み込み、美男をそれに絡ませながら彼女の動ける美を多様に引き出した、むしろ醜なるヒッチコックに、自身を重ね合わせる。いや、本書で見うる静止した公妃としての姿は豊かで、あるいは映画のなかで演じたどの女性よりも生き生きしている(ヒッチコックの敗北?)。
そうして、その死(1982年/52歳10ヶ月)にいちばん近い時期の撮影と思われる一枚の写真は、あんまり化粧っけもなく、さすがに人生の秋の到来を感じさせるが、ここで終わった生は、それはそれとして、やはり最大限に祝福されるべきだ、と私は思った。
ということで、たまたまドラッグストアで本書を見つけた私の個人的な喜びにまで立ち入りたい方は、当項掲出当日の日記のほうにも、どうぞ。
(米国東部時間25日19時15分)
- 2007/09/26登録
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