Pantera / Cowboys from Hell
90年作品。現代のモダン・へヴィネス・バンドの音の発祥はこのパンテラかもしれない。力のこもった音魂を同じフレーズの繰り返しの中にこれでもかと叩き込み、リスナーを戦慄に陥れる。彼らの戦いがはじまったこのメジャー1枚目のアルバムはあらゆる意味で斬新で、そして今作以降に始まった激鉄へヴィーサウンドの幕開けだった。
この『カウボーイ~』に続くアルバムである『俗悪』(92)はパンテラがパンテラというジャンルを開拓した結果となるアルバムであった。ここでは重低音に纏め上げられたサウンドプロダクトと無理してでも搾り出すような低い低いフィリップ・アンセルモ(vo)のヴォーカルがあり、ジャケットにあったように拳で思いっきり顔を殴られたような衝撃を僕らに与えることになったのだ。しかし、今作ではまだそこまで、パンテラはへヴィーサウンドを標榜してはいなかった。彼らの80年代までの活動ではテレセンス・リー(本名:テリー・グレイズ) (vo)という男がヴォーカルをつとめ、ダイムバッグ・ダレル(本名:ダレル・アボット) (g)のギターも至って普通のリフを行っていた。どこにでもありそうな(ただし演奏力はピカ一の)へヴィーメタルバンド、そういった印象があったのだ。なので『カウボーイズ・フロム・ヘル』でのフィリップ・アンセルモのヴォーカルには若干80年代の名残りがあり、高音と絶叫とを巧みに使い分けながら曲が展開していくという、過渡期の音があるのだ。だが、僕はそこにたまらなく痺れた!「シャタード」(#07)などはこの後のパンテラでは考えられないほどの高音ヴォイスをシャウトしており、純粋なHR/HMファンとしても抵抗なく受け入れられる名曲だし、このタイプのスラッシュメタルはやはり彼らでしか考えられないオリジナリティを持っていた。ダリルの鋭いギターはこの時から生まれだし、レックス(本名:レックス・ロッカー) (b)とヴィニー・ポ-ル(本名:ヴィニー・アボット) (ds)のリズム隊のテクニックが本領を発揮できたのも大きい。過渡期であるからこそできた実験、そして彼らは確信を得たように、世間に向けて宣戦布告を遂げたのだ。
地獄からやってきたカウボーイはその後、俗悪になり、世間を悩殺し、鎌首をとって、激鉄を振り下ろした。どんどん恐るべき強靭さを兼ね備え、的確なビートを切り刻んでいるにもかかわらず、彼らが非常にヒューマニストなのは彼らが純粋に音楽を愛する人間であり、リスナーとともにライヴを重ねる男達であるからだ、ということを忘れてはいけない。そして、ホームを持った彼らはこれからも「メッセージ・イン・ブラッド」を僕たちに告げてくれるのだろう。
「Pantera / Cowboys from Hell」を検索
- メイン
- コメント(1)
- つながり(2)
- トラックバック(0)
つながりキーワード (2)
ダイムバッグ・ダレル追悼
- (ピグ)
先日、元パンテラ、現在、ダメージプランのギターリストであるダレルがライブ中にファンに撃たれました。ショック!突然のニュースにびっくり!ステージ上に上がって撃ったとか!昨日...
Best of Pantera/PANTERA
- (rikiji)
ある日、「PANTERAの1st買うぞ!」と心に決めてCD屋に行くと、DVD付きのベスト盤が。1stの曲も多少入ってるし、DVDも付いているなら、ということで購入(輸入盤...






Best of Pantera...
ダイムバッグ・ダレル...
STREETS / ...


