コジンケンコウキロク
個人健康記録
概念としては「自分の健康・医療情報を自分で所有する」ということだと理解している。 今のところ飽くまで「理想」だけれども。 英語ではPersonal Health Record、略してPHRと言うらしい。 どうして自分の健康・医療情報を、自分で「所有」することが出来ないのだろうか?
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滅多に無いのだが、医療機関に行く度に強く思うのは、どうして自分の健康に関する記録を、各々の病院が「私物化」してしまうのか、ということ。 社会の中での移動が激しくなり、同じ人間が同じ地域に長期間留まるとは限らなくなった今、医療記録が各々の病院にバラバラに保管され、一旦病を得た際に、過去の状況を探り出すのに苦労する、というのは、どうも納得が行かない。
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ここで注意しなくてはならないのは、この概念は「電子カルテ」とは違う、ということだ。 電子カルテは、昔から紙だった医療記録を、電子的な形式に置き換えることであり、その情報の所有権が医療機関側にあるのか、当事者である個人にあるのか、という点には(多分)無関係な概念だからである。 勿論、一生の間に蓄積される健康・医療情報を全て電子形態以外の物理的形態で個人が保存し、持ち歩く、というのは難しいことだと思われるので、「電子化されたカルテ」は、個人健康記録の為の必要条件、前提条件だ、と言えるのではないだろうか。
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日本では電子カルテが未だ全体的には離陸出来ていない様子。 要するに病院の中で紙に書かれたカルテが、電子の形態になることも、まだ末端までは十分に進んでいないらしい。 とは言っても、私が行く大きな病院では段々導入されているように見受けられるけれども。
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多分、昔は識字率も低かっただろうし、人の移動も少なかったから、地域で最も学のある人(多分、医者本人だっただろう)が、哀れな地域住民の代わりに医院でカルテを保管することが、最も安全で効果的なシステムだったのだろう。 しかし、今はその状況は劇的に変わりつつあると思う。 ある症状に対して、セカンドオピニオンを得たい時などには、その患者の全情報を、別の医者に見せなくてはならず、健康・医療情報が患者のものになっていないのは、もどかしいのではないだろうか。
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ここで、颯爽と登場するのが、情報の解放者「Google」である。
「 グーグル、個人健康情報を記録・管理できるオンライン・サービス提供へ
懸念事項だったプライバシー問題を考慮したツールの提供も計画 」
という記事を読んで、流石目の付け所が良いな、と感心した次第。 と思ったら、マイクロソフトも約2週間前に、同様のサービスを提供するプラットフォーム「HealthVault」を発表しているらしい。 やるじゃないか、マイクロソフト。 是非、競争で新サービスを安く使い易いものに仕上げていって欲しい。
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参考:
Google Health Prototype
Wired Visiton日本語記事 「医療サービス業界にも、Web 2.0的な動き?」
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医療業界は、実に力の強い業界だと思う。 資金もあるし、政治権力も握っている。 そういう業界のある意味での利権に風穴を空けるようなシステムが離陸するのは難しいであろう、ということは想像に難くない。 しかし、医療システムの費消する社会的コストは実に膨大なものになっている。(特に高齢化が進む今では) そのある一定の部分が、記録の不備、散逸、不統一、等から発しているのではないか、と私は疑っている。(今の医療機関での自分の情報の扱われ方などに照らしてみて、だが)
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ちなみに、HL7という電子カルテの規格の案が米国を中心に存在しているらしい。 日本HL7協会というのもあって、規格を普及させる為に活動しているようだが、飽くまで「医療業界内」の話であり、その規格化されたデータを患者本人の手に、という話は無いように見受けられるのが残念。(まあ、そもそもそんな目的で作られたものじゃないだろうから、無理も無いけれど)
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多分、こういう話は、不可避的に国民総背番号制度にまで到達すると思う。 ヒステリックにプライバシーだの何だのと騒ぐ前に、全体としてどう利益と不利益があるのか、不利益はどうしたら回避出来るのか、等を冷静に考えるのが先だろう、と思うだが、いかがなものだろうか?
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2007/11/28追記
Wiredサイトの濱野智史氏の連載の中で「昨今の「医療IT化」の分野では、「PHR」(Personal Health Record:個人健康記録)や「Health 2.0」といったキーワードが注目を集めているそうです。」という記載を発見。 個人健康記録という言葉は、殆ど自分の造語の積りでいたのだが、どうやら実際にそういう言葉が使われ始めているらしい。
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2009/02/07追記
未だ米国の英語の記事だけですが、GoogleとIBMが協力して、家庭用の電子健康測定装置のデータをGoogleが既に提供し始めているオンライン健康記録に送れるようにしようと取り組みを始めるとか。 既に日本のタニタのシステムなんかも似たようなことに使えそうだから、日本の業界もビジネスチャンスあるのかも?
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2009/10/05追記
いよいよ本格的に動き出したのか?Microsoft、個人向け健康情報管理サービスをβ公開 まあ、どうせ日本ではまだ対応していないのだろうけれども。 英語で使いこなすつもりなら、やってみても良いけれど、自力で入力出来る程度のデータでは大したことは出来ないような気もするしな。
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- 2009/10/05更新
- 2007/10/23登録
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コメント (5)
2007/11/15
今後同大 転勤族の軽い持病もちの私としては、そういうデータは保険証にでも入れてほしいです。違う病院にいってまた調査しますというのが…でも、医者って言うのはそれでも自分である程度調査したがるものなので、軽減はされないのかな?
島崎丈太 コメントありがとうございます。 ええ、他でやった調査(レントゲン撮影等)は飽くまで参考程度で、結局は自分の病院等で再度レントゲン撮影したりしますものね。 しかし、血圧の履歴や、健康診断の長年の記録がきちんと纏まっていたら、傾向も掴めるし間違いなく役に立つと思うのですけれどね。
2008/01/05
島崎丈太 クリントン(妻)が、米国国民の健康記録をデジタル化する、ということについて、大統領選前半、演説の中で取り上げたらしいですね。 日本では金を払った払わないという、基本的な処で躓いているのが悲しい。
2009/02/10
ノラや 世界最高率の医療費歳出と国民保険制度なし>長期入院>カード破産>診療打ち切り>慈善病院へという最低のサービスを誇る?米国のテレビ番組を思い出しました。レポーターが世界のトップ/ボトム3の医療事情をたずねるというもので、番組中でトップは台湾としていましたね。診察券は全国どこでも一枚きり。既往症からアレルギー、投薬記録まで一元管理だそうです。個人で管理するかは別として、技術的にはもう練り上がっていることでしょう。日本はトップ2位でしたが、勘定が破綻予定だということにも軽く触れていました。知人がJ子医大の電子カルテ化にかかわってましたが、一番のネックはドクターの書いた字。「まったく不可読で、言っても言ってもゼッタイに直してくれない」といってました。ちょっと前の話です。
島崎丈太 お医者の側に、電子化することによるメリットが(多分)余り無く、動機付けが低いのでしょうね。>一番のネックはドクターの書いた字 ところで、自分しか読めない字で他の人間を排除しても、自分は困らない、ということなのかしらん?
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