La Traviata
ヴェルディ 歌劇《椿姫》全曲
ゲルギエフの秘蔵っ子だったアンナネ・トレプコ。
CDデビュー後、キーロフの主役から、世界のひのき舞台へと一気に躍り出た彼女の、待望のオペラ全曲盤。
2005年のザルツブルク音楽祭のライヴ・レコーディング、アルフレード役は演技力に定評があり、上り調子のメキシコ生まれのテノール、ロランド・ヴィリャソン。
パパ・ジェルモンにベテラン、トーマス・ハンプソン、威厳ありすぎて、こんなパパだったら、もうごめん絶対言うこと聞く!!
一幕から女性はヴィオレッタだけ。女性コーラスも女性ソリストも男性と同じタキシード。
ヴィオレッタのドレスのみが真紅で、彼女はまるでそれを社会に着せられているかのように脱ぎ捨てる。「あなたたちが希望するからこんな生活をしているのよ」とでもいうように。
死の間際、お祭りのパレードの中にヴィオレッタは自分自身を見る。
赤いドレス、男たちの慰みものの自分。
本当に自分の人生を生きようとしたときには、残りわずかだった命。
高級娼婦が社交界できちんと位置づけられ、上流階級の婦人とも思えるような生活をしていた時代とは違う。
現代的に解釈すれば、高級娼婦の位置とはこのようになるのかもしれない。
だが、あまりに絶叫的で私はちょっと好きじゃないところもある。
ネトレプコの動きも奔放すぎて下品にすら感じるし(わざと?)、もうちょっとストイックじゃないのって思ってしまう。
ストーリーにあんまり影響しない部分をさっくり流す演奏。
「プロヴァンスの陸と海」ですら一番のみ。ジプシーの踊りは、かなり速いテンポで流していく。
作曲されてから150年近くたつ作品、当たり前だが時代が変われば、受け入れられるテンポもピッチも違う。
たかだかこの十数年ですら、オペラのテンポ感は早くなってきている。
なるほど、結局カットするのも一つの手。
椿姫、ヴィオレッタは、はかなく・けなげで、深い愛を携えていなければいけないという印象が強い。
この演出に対する悪評のほとんどは、「意味がわからない」ことと、「ヴィオレッタが強すぎる」ということが根本にあるように思う。
私自身は、演出に芸術にすべて意味がある必要はあるとは思わない。意味は見た人間が勝手につけるものだ。
そして、ヴィオレッタは本当にけなげだったのだろうか、はかない女だったのだろうか。
オペラのヒロインを語るとき、あまりに一元的に見られることが多い。
悲劇的なはかない女のしたたかさと強さ、無邪気さと強情さ、生への迷いと生きる希望。
すべてをなかったことにするのは乱暴だと、私は思う。
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- 出演: ネトレプコ(アンナ)
- 販売元: ユニバーサル ミュージック クラシック
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ラ・ボエーム
- (みぃぞう)
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