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時計じかけのオレンジの21章

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 だが、兄弟、彼らが何がいったい「不良」の「原因」かなんて考えこんでるのは、おれにいわせりゃ、まったくのお笑いだ。「善良」の原因さえよくわかってないくせに、その反対のことがわかるわけがないだろう?人々が善良だということが、その人々が善良を好むということだとすると、おれは絶対その楽しみを妨害しようなどとは思わないし、また同じことが反対側の場合にもいえる。そして、おれはその反対側を支持しているのだ。その上、不良は自己のことであり、個であり、君でありおれであり、われわれ孤独なるものであって、その自己なるものはボッグつまり神により作られたものであって、その神の大きな誇りでラドシー(よろこび)でもあるのだ。だが、非自己は不良であり得ない、ということは、彼ら政府とか裁判官とか学校とかは自己を認めることができないから、不良を認めることができない。そして、兄弟よ、これらの大きな機構と戦ってきた勇敢な小さい自己たちの話が、われらの現代史ではないか?兄弟よ、おれはこのことでは、ほんとに本気なんだ。だが、しかし、おれがやってることは、やってることが好きだからやってるんだ。

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アメリカ版と早川書店から出ている時計仕掛けのオレンジには、原書にあった21章が消えている。(俺が持っていた早川版ではアメリカ版では削除されていたので、そちらを尊重したと翻訳者のあとがきがあった)

書籍情報

 イギリス版ではこの21章はふつーに掲載されており、アントニーバージェス自身が映画版に併せてアメリカ版で勝手に削除されたという事について憤慨している様子の序文を書いている。それよりなにより、アントニーバージェスはこの作品が映画のせいで有名になったことに結構抵抗を感じているらしい。
 インターネットの時代になり、一人の男が21章を翻訳するべく立ち上がった(って結構前の話だけど)。
http://www.geocities.jp/...
 アレックス少年は退院後、またギャングに戻るんだけど、なんだか言葉にならないフィーリングを持つようになり仲間たちと別れ、その後更正した昔の悪仲間に会って「ハームレス」という言葉を継承する。そして女房を捜し家庭を持とうとする。つまり「悪い人間の心に届くのは、同じ悪事をした人間の言葉だ」という感動的な小説なんだが、映画もアメリカ版も不良のままで終わってしまう。
バージェスは最近の若者のあまりの素行の悪さにこれを大人たちへ書いたらしいが、ハインラインは同じ動機で同じ時期に「宇宙の戦士(スターシップトゥルーパーズ)」を若者に向けて書いている。左右はっきり別れたね。
あとテープ版があってこれは作者本人が朗読してるんだが尻切れトンボになっている。どうにかならんか。そういや映画のアレックス役はブルーサンダーで悪役で出てたな。悪役商会。


時計じかけのオレンジの21章

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  • 2007/12/22更新
  • 2007/11/01登録
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