アンコトン
アン・コトン
20年近くも一人暮らしをしていると、男でも家事全般はなんでもできるようになる。
それは罠だ。
何でもできるようになってはいけないのだ。「隙」が必要なんだ。完全無欠の「ひとりスパイラル」に陥ってはいけないのだ。私の場合、お菓子作りと、裁縫をこの「隙」にしている。男ひとり暮らし20年選手のお菓子作りと裁縫姿はまさに「ひとりスパイラル」を圧倒的に完成させてしまいそうだからだ。
お菓子作りは別に必要に迫られることはない、隙は隙としてほっといてよい。ところが裁縫に関してはそうはいかない、ボタンが外れたら付けねばならないし、ほころびたら捨てるか直すかしないといけない。どうしてもやらなければいけない局面が出てくるのだ。隙は突いてもらえるときは良いのだが、突いてもらえないときのために、入店に抵抗が無く、ユニセックスで現代的なショップが必要になるんだ。
そこで私は最近ここ、阿佐ヶ谷すずらん通りにある「アン・コトン」。店の雰囲気としてはチェーン店の「安心感」「気軽さ」「そんなに構えていない感」を上手に備え、チェーン店でありがちの「奥様感」がだいぶ押さえられていて、入店しやすい。接客も我々が一番困る「世話焼き」が排除されていてスムーズだ。家から近いのもあり、融通はそんなに効かないが、ニットのジップアップのほつれた袖口を直してもらったり、裾を上げてもらったり、大体のものはここで直る。特に、裾の長さって買ってはいてみてやっといい長さかどうか分かる。わざわざ買ったショップに持っていくのもおっくうなので、こう気軽に持って行けるショップが近くにあると非常にありがたいのだ。
同士よ、ちゃんと「隙」は作っているか?
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