たいせつなひとがこころのびょうきにかかったら
大切な人が、心の病気にかかったら みんなが笑顔を取り戻すための対処法
近年、なくなった論理療法の創始者アルバート・エリスには、『神経症者とつきあうには』(国分 久子訳)という名著があるけれど、これが「名著」だった理由の半分は、このジャンルの本が他になかったからかもしれない。
論理療法、そしてその甥っ子にあたる認知療法の普及は、セルフヘルパー(患者自らを助けようとする人)向けの、たくさんの優秀な本を世の中に送り出した。たとえば『いやな気分よさようなら』が地味にその筋の人たちに広がらなければ、認知療法はいまもずっと日陰の扱いだったに違いない。
医療者向けはもちろん、セルプヘルパー(当事者本人)向けの本、それにカミングアウトもの(回復した当事者が書いた本)は、こうして類書も山をなして出版されるようになった。わずかの間に世の理解は、随分すすんだかに見える。
精神疾患のバイオ・サイコ・ソーシャルモデルは、Cedars-Sinai医療センターのフランツ・アレグサンダーが先べんをつけ、ロチェスター大学のジョージ・エンゲル(バイオ・サイコ・ソーシャル モデルの命名者)およびジョン・ロマーノによってさらに詳しく論じられたものである。バイオ(生物的側面)は、医者が薬を処方して対応してくれる。サイコ(心理的側面)は臨床心理士が、さまざまな心理療法によって対応してくれる。では、ソーシャル(社会的側面)は? ソーシャル・ワーカーと言いたいところだが、サイコロジストすら量/質ともに不足している現状で、国家資格としてのPSW(精神保健福祉士)があるけれどこちらの方もまだまだ前途が見えない。
ソーシャルな面で、直に直面するのは当事者の家族であり、友人であり、同僚たちである。医療者向けはもちろん、セルプヘルパー(当事者本人)向けの本、それにカミングアウトもの(回復した当事者が書いた本)は、こうして類書も山をなして出版されるようになったが、「周囲の人たち」のためのガイドブックがまだまだ足りない。そんな中で、これは貴重な一冊である。さらに多くの類書の登場を望みたい。
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