梶井基次郎『Kの昇天―あるいはKの溺死』
・
「影と『ドッペルゲンゲル』。私はこの二つに、月夜になれば憑かれるんですよ。この世のものでないというような、そんなものを見たときの感じ。―その感じになじんでいると、現実の世界が全く身に合わなく思われてくるのです。だから昼間は阿片喫煙者のように倦怠です」
月光の浜辺に映し出す自分の影から現れる、
もうひとりの自身に
月へ月へと導かれ昇っていく...
だが...
哀れなる哉、
イカルスが幾人も来ては落っこちる
Kという人物の溺死、
それは自殺なのか過失なのか...
現実とはまた全く異質のモノの気配。
それは時に幻と呼ばれ夢と呼ばれる。
どうしようもなく魅了されてしまう
幻影のようなもの、
それに取り憑かれてしまったら、
二度とこの地に足は着かない。
その事を梶井基次郎はこの短い話の中で
見事に表現している。
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- 2008/01/20更新
- 2002/06/28登録
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