カジイモトジロウ K
梶井基次郎『Kの昇天―あるいはKの溺死』
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「影と『ドッペルゲンゲル』。私はこの二つに、月夜になれば憑かれるんですよ。この世のものでないというような、そんなものを見たときの感じ。―その感じになじんでいると、現実の世界が全く身に合わなく思われてくるのです。だから昼間は阿片喫煙者のように倦怠です」
月光の浜辺にゆらゆらと映し出す自分の影から現れる
もうひとりの自身に導かれ 月へ月へと昇っていく
だが...
哀れなる哉、イカルスが
幾人も来ては落っこちる
Kという人物の溺死、
それは自殺なのか過失なのか?
現実とはまったく異質なる者の気配
それは時に幻となり夢として顕われる。
どうしようもなく魅了されてしまう
幻影のようなもの、
それに取り憑かれてしまったら、
二度とこの地に足は着かない。
その事を梶井基次郎はこの短い話の中で
見事に表現している。
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しかし、恐らく。
本当に月ナルモノを味わう醍醐味というのは、
阿片喫煙者のような倦怠から這い出して
肉体と幻影との狭間で
身に合わなさで、この現実に遊ぶことだろう。
最期に月が迎えに来るまで…
朗読
梶井基次郎 『Kの昇天〜或はKの溺死』(1)
梶井基次郎 『Kの昇天〜或はKの溺死』(2)
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- 2009/04/04更新
- 2002/06/28登録
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