リンカイジコ カクサレテキタシンソウ
臨界事故 隠されてきた深層―揺らぐ「国策」を問いなおす (岩波ブックレット)
”東京に原発を”の弱点は、巻末に文献がついていないことだ。” 朽ちていった命”も医療面からのドキュメンタリーだ。そこで、その背景を知るためにこの書籍にあたってみた。この本によって、この臨界事故は、核燃料サイクルの問題と深くかかわっていることがわかった。単なるうっかり事故のような捉え方はまちがいだろう。 この本は、独立した民間の研究団体の原子力資料情報室により書かれたものなので、当然、当事者によるバイアスはない点から安心して読める。
この本で指摘しているのは、たくさんあるが、以下の点が重要だろう。
1. 科学技術庁などによる東海再処理工場の稼働が推進されており、その再稼働を前提としたウラン溶液の調整の日程の、たびかさなる変化が、この事件の誘因になっている。
2. 核燃料サイクルの一環である常陽のための燃料であり、その前から、常陽、もんじゅ自体が動いていないため、意味のない動燃からの依頼だった可能性が高い。
3. 動燃の”外注”体質も強く関係しているーそのためJCOでは必要な施設の費用が得られなかった。
4. JCO自体が、いわゆるQCにより、安いが、安全性は低い方法の導入を推進していた。
5. 茨城県の公安委員会が、燃料輸送の回数が頻回になるのをいやがっていたため、一度に大量の処理を行った。
いずれも事故調査委員会の報告書にはなく、その後の裁判の過程であきらかになったということは、委員会の無力さを示すのではないだろうか。
- 2007/12/06更新
- 2007/12/06登録
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