ふたりの桃源郷 最後まで山で、最後まで夫婦で
この番組が第4回(平成20年)日本放送文化大賞のグランプリに選ばれました。
近日全国で再放送されるようです。
(2008/11/1追記)
山口放送制作のドキュメンタリー
電気も水道も無い山で暮らす老夫婦の17年にも及ぶ記録。
11月25日の日本テレビのNNNドキュメント’07で放送されました。
戦後の貧しい時代、故郷の山を切り開き3人の娘を育て上げた田中寅夫さん(93)とフサ子さん(88)。一度は大阪へ出るが、子どもが独立すると夫婦は電気も水道も電話もない山に戻った。「山を下りて同居しよう」そんな娘の説得も聞き入れない。「自分らしく老いたい」「ここが二人の原点だから」と。寅夫さんはガンに肺炎、肺気腫を患い入院。余命わずかと言われても山に向かう。夫婦とは、老いとは、幸せとは何かを問う17年の記録。この夏、寅夫さんは93歳で他界。最期まで山にこだわった人生だった。痴呆が進むフサ子さんは夫の死を受け入れられない。夫を呼ぶ妻の声が、山にこだまする。(HPより)
社会問題や有名人を追ったドキュメンタリーが多い中、夫婦の生き方を追ったドキュメント。
派手な展開や事件は起こらない、あるのは自然の営なみと自分たちが食べていく為の畑仕事。エコとかロハスなんて関係ない生きていくための生活。二人の表情からは「苦労」なんて言葉は感じられない。お日様の下、自分たちが作った物を食べ美味しそうに缶ビールを飲む姿が、とても印象的だった。そんな桃源郷にもゆっくりと確実に「老い」が迫ってくる。
体を病み、老人ホームで暮らしながらも山に入って行く日々、心配し仕事を変え、山のふもとに引っ越しを決意した娘夫婦。
観る人によってさまざまな見方あるドキュメンタリーだと思うし、観る人によってさまざまな生き方の「ヒント」みたいなものを与えてくれるドキュメンタリーだと思う。
私は、観れて良かったと思う。
今の日本は食べ物にあふれ、とっても便利です。でも、はたして93才まで生きられるか疑問です。もし寅夫さんが山を下りていたら93才という大往生ができていただろうか? 「生きがい」なんて言葉が、適当とは言えないかもしれないが、寅夫さんにはそれがあったのだろう。
確実に言える事は、93で亡くなる寸前まで1人の人として「生きた」ことだと思う。
医療の向上で長生きはできるかもしれない。でも私は寅夫さんのように「生きる」ことができるだろうか。
お爺さんが居ない。と言って山に向かって「おじいさーん」と、決して帰らぬ人を大声で呼ぶフサ子さん。
88歳とは思えないほど声に張りがあるのは、山で暮らす夫婦の唯一の連絡手段が「声」だったためだろう。
夫婦とは、老いとは、幸せとは
- 2008/11/01更新
- 2007/11/28登録
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