第32回報知映画賞
報知映画賞のニュースを今朝、見ました。選び方が渋いなぁ、というか見るとこ見てるなぁ、という感じがして共感できました。正直、報知映画賞って私自身はよく知らなかったんですけども‥。。
最優秀主演女優賞が「夕凪の街 桜の国」の麻生久美子さんで。この映画、広告は田中麗奈さんで売り出していたんですよね。私もそのつもりで観に行ったんですが。でも実際に観てみると麻生久美子さんのほうがずっと存在感があって、さすがだなぁ、という印象を持ちました。
あのほんわかとした喋り口とか表情が、原作のこうの史代さんの漫画に出てくる皆実のイメージとすごく重なる感じがしてすごく良かった。原作の印象的なセリフ、「原爆を落とした人は私を見て、やった!またひとり殺せた!ってちゃんと思うてくれとる?」 ‥すごく微妙なニュアンスのセリフですよね。それが現実の生の声で、麻生久美子さんの演じる皆実の喋り口で聞くと、より印象的に心に残るセリフになりました。
妙な落ち着きとか、諦観とか、優しさとか、恨みとか、色んなニュアンスを含んだ声色で、何とも言えない「重み」があって良かったです。
最優秀新人賞は「天然コケッコー」の夏帆さん。監督の山下敦弘さんも受賞されて。あくまで個人的に、ですが、今年の映画のなかでは「天然コケッコー」は特別な映画だったなぁ、という感じがしています。山下監督がこんな映画を撮るなんて!というのもすごく意外な感じがしましたし。
でも、山下監督は以前から「現場の雰囲気を作り出す」、「現場ならではのノリを作り出す」のがすごくうまい監督だなぁ、というのは感じていました。まるで学園祭のようにみんなで面白いモノをを作り上げてく高揚感。それが画面に乗り移っているかのようで、それが観ているほうにも伝わる、そういう画を撮る監督だと感じてます。
「天然コケッコー」から感じる雰囲気も、そういうもので。夏帆さんの演じる微妙な表情やセリフの言い方。それは「演技」だからそうしている、というものを超えているように思います。本当にその時、そう感じたからそう言っている、だからそういう表情をするんだ、という感じがしました。
それは単に夏帆さんだけから生み出されたんじゃなくて、監督、出演者、撮影のスタッフの方々が現場を作り上げていったからこそ、そういう画が撮れたんだと思います。ほんとうに、すごい。こんな、そのまま日々の日常を切り取ったような映像が撮れるなんて。
ほのぼの、ゆったりとした雰囲気とは裏腹に、現場の、出演者の熱気が伝わるような映画でした。
最優秀助演女優賞は永作博美さんが受賞されていて。この映画賞でいちばん、「渋いとこ突くなぁ、見るとこ見てるなぁ」と感じたところなんですけども‥。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」という映画です。
自分は大女優になれると勘違いしている姉と、根暗で気持ち悪い漫画を描く妹。彼女らの兄は、何も語らない寡黙な人。その兄に嫁いできた女を永作さんが演じています。
独特でヘンな家族。そのヘンな家族のかもし出す空気を読めない嫁。気遣いするも空回りばかり‥
その、家族のなかで自分だけ浮いてる感じとか、ヘンに家族に対して気遣いして空回りするイタい感じとか、夫に抱いてもらえない嫉妬心とか、色んな感情が渦巻いてるところを余りあるくらいに表現しているところが良いです。というか永作さんはやっぱりすごい‥
DVDになったら彼女のイタい空気感をかもしだすところをぜひ観てもらいたい‥
他のキャラたちが性格がはっきりしているだけに、彼女の役柄の微妙さは際立ってます。個人的にもすごく印象的に残ってます、すごく。
ただ、それに注目して賞を贈られても、永作さん自身はどう思うのだろう?という感じはするのですが‥
最優秀主演男優賞の加瀬亮さんの、「それでもボクはやってない」についてですが、個人的な事ですが、私、観ていないんです。この映画。だからどうこう言うことはできないんです。
でも、加瀬亮さんって、いたるところでスクリーンで出会うんですよね。ああ、この映画にも出演していたのかって。ひっぱりだこって言ってもいいくらいに。
やっぱり、存在感がある、印象として確実に残る役者。もっとイケメンの男優は他にいっぱいいるはずなのに、この人はなぜか印象に残る。
この映画もDVDになったらぜひ観てみたい。
↑どうもあまりフォローになっていないような‥‥感じですが。。
何か、この報知映画賞は今年一年で観た映画を振り返るいい機会だったなぁ、って思いました。邦画大好きな私としては特に。また、来年も邦画で面白い作品がいっぱい観れる年であってほしいなぁ、って思います。
- 2007/11/29登録
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