ヨシナガ フミ:キノウ ナニ タベタ?
よしながふみ:きのう何食べた?
-----広義の意味で、ヤオイ。
「モーニング」で月1連載している、よしながふみセンセのマンガ。
弁護士のシロさん(筧史朗・43)と、美容師のケンジ(矢吹賢二・41)は、二人暮らしをしているゲイカップル。仕事は18時で切り上げて帰宅するのが信条のシロさんは、月2.5万円の食費のなかで、節制しながらも美味しいご飯を作って、ケンジと一緒にもくもくと夕飯をとるのです。
そんな二人の生活を描いたマンガが、「きのう何食べた?」なのです。
うん。フツーに面白いです。よくやった「モーニング」。みたいな。
出てくるご飯は質素ながらも美味しそうだし。エロ無しでゲイのことをちゃんといろんな面から描いているし。シロさんが節制する理由が「子供に面倒見てもらうなんて未来の無いゲイが頼りになんのは金だけだろが」(vol.1 P.15)とかってのもリアルよね。ケンジのオープンさ加減に、クローゼット気味のシロさんがキレて喧嘩しちゃうあたりとかも、ウチはそういうコトはあんまりないけど、絶対いるわこういうカップル、とか思いますし(ていうか、シロさんのクローゼットっぷりはホントにリアルだと思う)(vol.1 #3)。ゲイと性同一性障害を混同していたり(vol.1 p.17-19)、絶対会いたくもないクセに彼氏を実家に連れてきたら、と提案してみたり(vol.1 P.144)とかするシロさんのお母さんに対して、シロさんが「(息子がゲイであることを)知ってるからって 分かってくれてるわけじゃない」(vol.1 P.147)っていうのも、よくあるわー。みたいな。
で、漫画としてフツーに面白いんですよ。やっぱ絵もうまいし、コマ割とか間の取り方も絶妙だし、なにより、こんな淡々としている---むしろ淡々とし過ぎているくらいの日常生活を、ここまで読ませるモノとして描けるっていうのは、それを青年誌上でやってのけるっていうのは、やっぱスゲーなー、とか思うワケですよ。「フラワー・オブ・ライフ」とかもそんな感じ。
でも、でも何故かしら。
なんか、読んでて妙~に、居心地が悪い。のよね。
「あのひととここだけのおしゃべり」(未KW化)の三浦しをん氏との対談とかを読んだときのような、奇妙な居心地の悪さ。
これは表現者がなにかを表現するときには当たり前のハナシではあるんだけど、周到に丁寧に取材されていても、結局描かれているのは、ああ、よしながサンのお好きなタイプのおゲイのお話なのですね、という、そういう感じ---自分の日常生活までもが“ヤオイ”化されているような、居心地の悪さ、なのかも知れません。
「実際ホントに、シロさんみたいなゲイはいるし、ケンジみたいなゲイもいるのよ。でも、アタクシの彼氏はイカホモの可愛いクマさんですのよ! 悪い!?」
って自己主張したくなるというか、妙にヒガイシャモウソウを刺激されるというか……(笑)
淡々と日常生活を描いている分、あたかも「ワタシ、ゲイとかに関しては価値中立的な立場から描いてるんですよ」、って言われているような気分になってしまい(“なってしまい”っていうのがポイントか)、なまぬるぅ~いナニかを(勝手に)感じてしまうというか。それこそ、シロさんのお母さんに、滔々と愛情を語られているかのような……(笑)
でもなー、漫画家としてはよしながセンセは結構好きなんだよなー。
そしてヤオイであっても、オノ・ナツメ/basso氏のヤオイは好きだったりするんだよなー。ヤオイ漫画はよくても、ヤオイ精神がいやなのか、自分?
とか。なんか、色んなトコロで複雑な想いを抱かせてくる漫画なのでした…… でも多分2巻も買う。そしてまた同じような文句を言うと思う(笑) でも好きです。
しかし、先日人気KW一位になっていた「嫁のメシがまずい」とか読んだあとにこの漫画を読むと、ご飯の大切さが身に染みるわ……
- 商品名: きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)
- 価格: ¥590
- 著者: よしなが ふみ
- 出版社: 講談社
- 発売日: 2007-11-22
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- 2007/12/01登録
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