関心空間はブックのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

サウンド・オブ・ミュージック[アメリカ編] (サウンド・オブ・ミュージック アメリカヘン)

  • サウンド・オブ・ミュージック[アメリカ編]の画像

いわずと知れた名作ミュージカル映画。この映画をご存知のかたは大体、これが実話をもとにしているというのも知っているかと思います。
原著では第一部がオーストリア編、第二部がアメリカ編となっていて、本著は第二部の、1938年にドイツに併合されたオーストラリアを脱出したトラップファミリーが、アメリカ行きの船に乗るところから始まります。つまり映画の後日談になっているわけ。

以下、多少のネタばらしを含みます。

時間を追うと、
1938 渡米
1939 ビザ延長が認められずヨーロッパへ。スカンジナビアを中心に演奏旅行後、再渡米
1941 ヴァーモント州ストウに農場を購入
1943 トラップファミリーの男子2人が米軍入隊。(終戦後に2人が戻るまで、女声合唱団として活動)
1944 ミュージックキャンプの第1回を開催。
1947 戦後、「トラップファミリー・オーストリア救援隊」を立ち上げ。同年、トラップ男爵死去。
1948 トラップ一家、米市民権を取得。

というところまでが、マリアの自伝的なこの本に書かれています。

アメリカに到着したトラップファミリー(オーストリア人)は、まず言葉の壁にぶつかります。このあたりの失敗談は、英語に苦労したことのある日本人なら、共感の爆笑が必至かも。はじめて見る高層建築、地下鉄、エスカレーターに、驚いたり死ぬ思いで挑戦したりしていく描写は、映画「クロコダイルダンディー2」がパクッたんじゃないかと思うほど。

などと笑っていられるのは導入のあたり。といっても最後まで爆笑なしで読むのは難しいかもなのだけど、とにかくお金に苦労しつづけるんです、トラップ一家は。オーストリア脱出の理由の一つが、ドイツ侵攻により銀行が潰れたせいでほとんど文無しになったからなのですが、アメリカに呼んでくれた音楽事務所のおかげでコンサートは続けられたものの、とても貯えるどころではない。しかも客の入りが悪くて、契約を更新できず無職になることも。
ようやく経済的に余裕ができてきたのは、戦争が終わってからだったようです。その後は、オーストリアのアメリカ占領軍司令官の要請で、ツアーをしながら救援物資を集めて送る「トラップファミリー・オーストリア救援隊」を組織(といっても身内だけですが)するなどしていくようになります。

それにしても、なぜこれだけの困難を相手に、この家族はくじけなかったのか。「困難」のいくつかは、マリアが自分で引き起こしたりしたものだったりもしますが、この本は、普通の神経だったらとっくに参ってしまいそうな事件の連続です。
たぶんその原動力は、
「ペトロとヨハネのように、わたしたちは友人にいうのだった。『お金は持っていませんが、持っているものはすべてさしあげます』それは、わたしたちの歌う音楽であり、ささげる祈りだった。」(P76)
ということなのでしょう。『~』は新約聖書の中の、聖ペトロと聖ヨハネの言葉なのですが、私もクリスチャンですがこれはなかなか実行できません。っていうか、マリアみたいなのが自分の妻だったら、私ならどこかで首をしめてます。(そういうことでは、映画と違って本ではトラップ男爵はあまり目立たないのだけど、この夫あってこそだったろうと思います)。それをマリアは(映画でジュリー・アンドリュースが演じたとおりのキャラクターで)ごく自然体でやっちゃってるんです。
信仰をまず頭で考えるような私はまだ持っていない、神への信頼をごくフツーのこととして持っている家族だなと思います。

というわけで、
映画のファンに、
クリスチャンを含めて、信仰者の方に、
そして「宗教なんか」と思ってる方にも、
おすすめの一書です。

(私事ですが、100キーワード目として。)

サウンド・オブ・ミュージック[アメリカ編]

このページに
携帯でアクセス

2次元バーコード対応の携帯で読み取ってください

詳細情報
  • 人名: マリア・フォン・トラップ=著
  • 谷口由美子=訳
  • 発売元: 文渓堂
  • 2002/07/05更新
  • 2002/06/30登録
  • 1926クリック

ソーシャルブックマーク

  • このページを含むはてなブックマーク
  • このページを Yahoo! bookmarks に登録する
  • このページを del.icio.us に登録する
  • このページを livedoorクリップ に登録する
  • このページを POOKMARK Airlines に登録する
  • このページを Facebook に登録する

コメント (2)

2002/06/30

ロオジエ トラップ一家のその後については、とても興味があったので、さっそく本を注文してみました。

2007/02/10

信生(ほい!) コメントありがとうございます。トラップ一家のCDは未聴ですが、言われると聴きたくなってきました。今度探してみます。

つながりキーワード (7)

米ミュージカル映画の傑作「サウンド・オブ・ミュージック」のモデルとなったトラップ家の次女──マリアさんは1914年生まれ、現在はバーモント州に暮らす。渡米して、すでに7...

2歳の娘とはまった映画。100回以上観たかも。観たことない人は、死ぬまでには絶対1回は観て欲しいな。

TUTAYAのレンタル落ちの中からタイトルに惹かれゲット。あたり!家内と昨日帰りの車の中でBGMに。2人で盛り上がってました。サウンド・オブ・ミュージックの大ファンなんで...

最近は殺伐とした映画ばかり 安心して子供と見れる&感動する名画とは?やはりこれです。 第38回アカデミー賞 作品賞、監督賞、編曲賞、音響賞、編集賞 受賞 監督は、「ウェス...

アンドリュー・ロイド・ウェバーとティム・ライスコンビが旧約聖書のヨセフの物語を、学生時代に学芸会ミュージカル用に書いた短い15分の作品が出発点で、どんどん曲が増え上演時間...

『サウンド・オブ・ミュージック』をはじめて観たのは中学生のころか、高校生のころか。ドレミの歌を子供たちと一緒に楽しみ、超高音までをなめらかに歌いこなすジュリー・アンドリュースにほのかにあこが...

いわずと知れた名作ミュージカル映画。この映画をご存知のかたは大体、これが実話をもとにしているというのも知っているかと思います。ジュリー・アンドリュースが演じたマリア・フォ...

携帯でこのページにアクセス

サウンド・オブ・ミュージック[アメリカ編]

2次元バーコード対応の
携帯で上の画像を読み
取るとアクセスできます

トラックバック (0)

まだトラックバックされていません。

トラックバックURL
http://www.kanshin.com/tb/keyword-128604

キャンペーン

ページの先頭へ ページの先頭へ