パンズ・ラビリンス(Pan's Labyrinth)
公開は10月だったのに
なっかなか松山にフィルムが回って来なかった映画 『Pan's Labyrinth』。
今日 やっと観に行くことができた。
ついこの間まで、サイエンスな世界でゴハン食べてた人間だけれども…、
キリスト教系の幼稚園に通って
絵本と物語と子供百科事典とをごちゃ混ぜにして与えられてたせいか、
私は多分に、現実の境目が不確かな子供だった。
宇宙の塵が集まって惑星になるの、なんて偉そうに言う反面で
願い事はいつか叶うと信じていたし(ある意味ではそうだけれど)、
理屈に合わないマジックやお化けやサンタクロースのことも
人より大きくなるまで、割と純粋に信じていたかもしれない。
でも、
『きっと雪になりますように!』とお祈りして眠ったクリスマスの朝、
わくわくしながらカーテンを開けた窓の外は銀世界、ではなくて…
暖かく乾いた芝生が冬の日差しを受けて、いつも通りに広がっていた。
もう少しこのまま温めてあげれば また目をさますかも知れない
と信じてずっと見守っても、
冬の寒さで死なせてしまった文鳥が息を吹き返すことは、ない。
想像の中では すぐ先の手の届く現実の中にあった小さな夢が
実際には、簡単に叶いはしないことを、少しずつ学んで行く。
目に見えない、でも、強固に空想と現実を隔てる
透明だけど重くて厚い壁の存在を、
少しずつ自分の世界と馴染ませながら、子供時代を脱した。
どんなに念じてもホウキで空は飛べないし、
徳川埋蔵金もツチノコも、いつまで経っても見つからない。
一ヶ月で見違える程キレイになる美容法だって、なかなか、無い(苦笑。
この世界に魔法は存在しない。
この世界に、魔法は存在しない、けれど・・・
けれど。
小さな奇跡みたいな出来事は
この世界にも案外たくさんちらばっているし、
それは時に、手に取ってみることも、
たぐり寄せることだってできることを、私は知ってる。
相反する二つがどちらも本当であること。
過酷で逃げ場のない現実と
オフェリアを待ち望み、暖かく迎え入れてくれようとする 迷宮の向こうの世界。
この映画の中ではそのどちらもが、等しく現実だ。
(フィルムは繰り返し、それを主張する。)
…その王国を オフェリアの"幻想"と呼ぶのは、あまりにも浅薄な気がする。
細かい感想は尽きないけれど…、
映画の印象がうまくまとまらないまま公式サイトのレビューを見ていたら
この言葉が、そのもやもやをすっとまとめてくれた。
『現実をつくるのは幻想であって、その逆ではない。
その真実を雄弁に語る珠玉の作品だ。』
鏡リュウジ
…私達が認識している世界は、
人間の脳内で再構成された情報の、カクテルだから。
全編を通して、象徴の洪水。
蜘蛛の巣のように、緻密に有機的に織り上げられて現実と融合した、
とても力強くて不穏で残酷で、幸福なファンタジー。 五つ星
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http://www.panslabyrinth.jp/
パンズ・ラビリンス
(2006メキシコ/スペイン/アメリカ合作 )
監督:ギレルモ・デル・トロ
主な出演者:イバナ・バケロ/セルジ・ロペス/マリベル・ベルドゥ
公開年:2007年10月
PG-12
- 2008/02/03更新
- 2007/12/06登録
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パンズ・ラビリンス 「逃げ場のない刹那さ」
- CARAMEL*PAPA | Tracked: 07.12.14 7:46 am
カテゴリに入れるならホラー、しかしホラーでない? ダーク・ファンタジーと銘打たれた「パンズ・ラビリンス」作品概要については公式及びwikiを参照してください。多くの賞を取ってい.....
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