シミンカガクシャトシテイキル
市民科学者として生きる 高木仁三郎 (岩波新書)
市民科学者、高木仁三郎さんの自分史的な本。
元はプルトニウムの研究者で、企業、大学で研究を実際に行い、現時点での科学レベルでは未解明の点が多いにもかかわらず、政治的、国策的な意図などから原発を推し進める会社に疑問を感じ、さらに、その技術と将来性に疑問をもち、大学を離れて一般人の立場から原子力を評価してきた。原子力資料情報室(CNIC)の初代代表。
この本のなかには、高木さんが感じた、あるいは実践してきたいろいろな経験がつまっている。いくつかあげてみると、
1. 原子力産業は、政治的意図や金融資本の思惑が先行して始められた産業であり、技術的基盤が脆弱である。
2. 原発に対する住民の反対は、科学技術に無知な住民の情緒的な反応ではない。
3. 国家、産業の利害とは別に、国家や産業界のprojectを批判できるようなシステムは必須であり、NPOもその一つである。
4. プルトニウムは、危険な発癌物質であり、核爆弾も容易につくりうることから、極端な管理社会化(plutonium economy)が必須であり、民主主義とは相容れない。
5. プルトニウムによる核燃サイクルは、いわゆる錬金術論であり、直接廃棄に比べると、廃棄物管理など社会的影響は計り知れない。
6. 核燃サイクルは動いていないという世界的な認識にも関わらす、日本は鎖国状態でどんどん国策としてすすめていくのは、太平洋戦争へと進んでいった戦前の軍人による進軍ラッパと同じである。
7. 電力会社はTCIAともいうべき密告制度あるいは組織を形成し、原発反対意見を封じ込めようとしてきた。
関連サイト http://www.kousakusha.co.jp/RVW/...
- 2008/01/11更新
- 2008/01/10登録
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