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カミングアウト・レターズ 子どもと親・生徒と教師の往復書簡:RYOJI + 砂川秀樹 (カミングアウト・レターズ コドモ ト オヤ・セイト ト キョウシ ノ オウフクショカン:リョウジ + スナガワ ヒデキ)

  • カミングアウト・レターズ 子どもと親・生徒と教師の往復書簡:RYOJI + 砂川秀樹の画像

-----いつかの、僕へ。いつかの、あなたへ。

 関心空間のプロフィールでこそ、「でもってゲイ。」なんて軽さでカミングアウトしたり、大学の友人でもカミングアウトした相手がどんどん増えていっていたり、彼氏もいたり、レズビアン友・ゲイ友・トランス友もたくさんいたり、LGBTコミュニティのなかで作品発表もしたりしている僕ですが。未だに、ひとりに対してもカミングアウトできていない領域があります。

 家族です。

 ……まぁ、兄にはバレてるんじゃねーか、という気はしてるんですが(自分が普段使ってたPCが使えないときに、兄のPCからこっそり××××(笑)した形跡がバレて『勝手にPCを使うな!』と怒られた経験アリ)、自発的に「僕ゲイだよ」とかは言ってないので、コレはノーカウントで。
 ともあれ僕は、家族にはカミングアウトできていません。クリスチャン・ホームだから、っていうのも、理由の一端になきにしも非ず。ですが、それよりもむしろ大きいのは、両親の「孫に絵本を読んで聞かせたい」という希望、両祖母の「孫の結婚式が見たい・ひ孫の顔が見たい」という希望を、昔から浴びて育ってきたから。です。
 そしてなによりも、自分がこんなにも愛されて育てられてきたことを、心の底から実感しているから。いつか言わなきゃ、いつか言わなきゃ、と、思いながらも、言えないまま、ここまで生きてきました。

 この本には、そんな「いつか」を経験した子どもと親が、或は、生徒と教師が、自分がゲイであること・自分がレズビアンであることを語った「いつか」のことを、思い返しながらやりとりした手紙が収められています。

 この本のなかにいる誰もが、互いのことを思いやり、慈しみあい、だからこそ、苦しんでいます。
 個人的に一番泣きそうになりながら読んだのは、最初に収められている、昌志さんとお母さんのやりとり。

「母さんの顔を見たとたん、あんなにカミングアウトを願ってたのに、後悔しそうになった。母さん、動揺を隠そうとしたから、俺に見せまいとしたから、よけい本当は怯えてるんやって分かってもうた。」(昌志 p.13)

「あの時はただ、『母さん、俺、人を殺してしまった』と言われたみたいに、怖くて怖くて、ただ、あなたが壊れてしまわないように、引き止めるために聞いていた。」(母 p.21)

 自分が誰のことを好きなのか、誰と生きていくことを願うのか。
 子どもが誰のことを好きなのか、誰と生きていくことを願うのか。
 本当は、ただそれだけの話。でも、自分の/子どもの生の核にも関わってくる、大切な話。
 だからこそ、言いたい。だからこそ、言えない。だからこそ、話をしては悔やみ、話を聞いては怯える。
 それが、カミングアウトをする、ということなんだと思う。

 でもやっぱり、ただ苦しくて切ないだけが、カミングアウトする、っていうことじゃない。

「俺は気持ちを話したんやから、これからは母さんや父さんの気持ちを聞いていきたい。
 俺は受け入れてもらったんやから、もう何を聞いても大丈夫。」(昌志 p.19)

「それから、幸せになれるよね? あなたのかたちでいい。幸せになりなさい。」(母 p.29)

 こんな自分だけど、あなたと一緒にこれからも生きて行きたい。
 どんなあなたでも、あなたと一緒にこれからも生きて行きたい。
 そんな風に互いを想いやり、確かめ合い、新しい関係を、これまでの関係を、これからも生きていくこと。
 そのことを深く刻みこむことが、カミングアウトをする、ということなんだと思う。

 この本は、大切な誰かと一緒に生きていくことを考える本です。
 ここに手紙を書いた人たちは、あなたにとっては他人かも知れないし、あなたの家族に、或は友だちには、こういう“問題”を抱えている人は、いないかも知れない。
 けれども、これらの手紙は、確かに、いつかの僕へ、そして、いつかのあなたに向けて書かれた手紙でもあるのです。
 特に、お子さんをお持ちの方・いつか子どもを育てたいと考えている方には、読んで頂きたいな、と、思います。


 ちなみにこのレビュー、発売日に先駆けて書いてます(2007.12.11.発売予定)。
 なんでかっていうと、僕のパートナーが編者のひとりで、パートナー特権・見本読みができたから。
 でも、発売されたら自分でも買おうと思います。
「いつか」の僕が家族にカミングアウトしたときに、大丈夫だよって、プレゼントするために。

悠@悠悠自的。画像 投稿者:
悠@悠悠自的。
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  • 商品名: カミングアウト・レターズ
  • 価格: ¥1,785
  • 著者: 砂川秀樹
  • 出版社: 太郎次郎社エディタス
  • 言語: Array
  • 発売日: 2007-12-11
  • 詳細をみる
  • 2007/12/06登録
  • 1420クリック

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コメント (2)

2007/12/06

yoon yoon ちょっと素敵ですね。ちょっとジンときました。この本にも、悠@悠悠自的。さんにも。  自分で愛されて育ったっていえる悠@悠悠自的。さんは素敵です。私も読んでみたくなりました・・・

悠@悠悠自的。 >yoon yoonさん ありがとうございます。是非読んで、お子さんにも伝えて頂けたらな、と、思います。yoon yoonさんのお子さんなら、きっと強くて優しい子に育ってると思うので、そういう子たちが、どこかにいるクラスメートたちの味方になってってくれたらな、と、思うのです。

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  • 悠悠自的。 | Tracked: 07.12.6 10:17 pm

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