ニホンノショーカー(ジドウシャアーカイブイーエックス)
日本のショーカー(2)(自動車アーカイブEX)
子供の頃、大好きなミニカーがありました。ペタンと車高が低く、鼻先が細く、いかにも「スーパーカー」といったクルマ。「マツダRX500」「トヨタEX-7」という名前が書かれていました。
このクルマたちが走っているのを見たことがない私は、田舎の子供だったので、きっとこういうカッコイイクルマは東京で走っているに違いない…と思い込んで目にするのを諦めていたのです。でもこういったクルマが将来当たり前になるに違いない、大きくなったらこんなクルマに乗れるんだ…そんな勝手な子供の夢を見るにふさわしいフォルムをしていたように覚えています。
真実は後にスーパーカーブームが来た時に分かりました。
その頃子供向けに売られた自動車図鑑には、どこか近未来的な場所に飾られ、コンパニオンが微笑む会場で飾られる先の2台の姿が載っていたんです。それはイベント専用に作られた「プロトタイプ」「ショーカー」「コンセプトカー」と呼ばれるクルマだったのです。そういう意味では、私が「東京」や「将来」という幼いキーワードを通して感じていたように、作り手のメッセージは子供にすら正しく伝わっていたんですね。時代もまた、そういう分かりやすい未来を志向していたんでしょうけど。
現在もこういったショーカーは、東京モーターショーはじめ様々な展示会で、ちょっとお試しの先進技術などをプロモートするために作られています。それは投資や利潤という具体的な目標だけでなく、今の子供たちに何らかの無邪気なメッセージを与えているんでしょうか。
比較的近い未来からちょっと背伸びした遠い未来まで、クルマというモノを通して私たちが何がしかの夢を見られるモノであってほしいですね。
この本は自動車黎明期の1954年から現在に至るまでのショーカーを網羅した4分冊になっていますが、特にこの2巻で採り上げられる1970~1979年という時代の分は、夢に溢れた流線型のクルマが並び、新鮮な感覚で見ることが出来ます。同時期に私が夢見る子供であったというのもあるんでしょうけどね。
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