ストーカー(路傍のピクニック)
最近はストーカーというと犯罪用語として認識されてしまうのだが、SFファンである私にとってはこれほど嫌なことはない。
ロシアの映画監督・巨匠タルコフスキーの映画の方が有名なのも、原作ファンにとっては悔しいものがある。
原題は『路傍のピクニック』もしくは『道端のキャンプ』という意味なのだが、邦訳題は“密猟者”という意味でこのタイトルが付けられた。そのきっかけはタルコフスキー監督作品のタイトルがそうなったから、だそうな。
確かにこの小説が邦訳されて、ストーカー問題が顕在化するまで30年近く経っているかもしれない。その当時はまさかこの単語がこんな風に使われるとも思っていなかったであろうな。
本作におけるストーカーとは、突如地球に出現した異星(もしくは別世界)の超文明の痕跡“ゾーン”に不法侵入し、謎なアイテムの数々を命懸けで持ち出して売り払う者のことを言う。
「ピクニックで道端に捨てられたゴミは、野の虫たちにとってどんな意味があるのか」
作品中で登場人物達は“ゾーン”とそこで見つかる謎のアイテム類、それを密漁する人間の様子を上のように語っている。それは環境破壊を揶揄しているようにも見えるし、ミステリアスなものに翻弄される人間を嘲笑しているようにも見える。
文章も三人称だったり一人称だったり。兄弟で書いているからなのか。でも、そこが面白い。
だが当の兄弟は、この作品に関してはそんなに自己評価をしていないようだ。
単に映画化されて、しかもその映画が一部でメジャー化したから目立ったのであって、本来のストルガツキー兄弟の作風を語るには、この作品を取り上げては事足りないようだ。
- 発売元: 早川書房SF504
- 価格: 520円
- アルカジイ・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキー:著
- 深見 弾:訳
- ПИКНИК НА ОБОЧИНЕ
- 2002/07/03登録
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コメント (5)
2002/07/03
BRAVO30000W! 映画化の際にも脚本家として携わったストルガツキーのコメントが翻訳されてます。http://members.aol.com/Satokimit/...
2002/07/04
BRAVO30000W! うわ。それはそれで懐かしい>ランドストーカー MDでしたっけ。
バスター 映画化された作品は、もう原作とはまるで異なるものとなっておりましたね。タルコフスキー氏の、芸術に対するスタンスからすれば、当然の事なのでしょう。
2002/07/05
無花果 「タルコフスキーによる映画の方が有名で悔しい」SFといえば、『ソラリスの陽のもとに』もそうかもしれませんね。あれは、日本では原作も映画に劣らず有名かもしれませんが……。
BRAVO30000W! 少なくとも原作は読んでて眠くなりませんでした(笑)>ソラリス
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