リストランテ フィオレンツァ
本郷という立地にもかかわらず、イタリアのマニアックな郷土料理を多数メニューに載せていた、イタリア料理店オステリアココゴローゾ。そのオーナーシェフである橋本直樹シェフが満を持して、京橋で勝負を掛けてきた新店。
たまにお店に寄せてもらった客としては、もうちょっと、いい立地で勝負して欲しいシェフとソムリエだな。と、思っていただけに、新店が京橋に出来たことは非常にありがたい。本郷までは遠すぎるといっていた友人も誘えるし。
新しいお店はプランタンから歩いて5分ぐらい。表通りからは一本はいった路地にあるが、ドアが奥まっている為、外の雰囲気から隔てられている。(その分見つけにくいが)内装は木が中心で、ウォークインのワインセラー。カウンターからは調理場の様子が見えるが、イタリアンから想像するような喧騒に満ちた情景ではなく、緊張感漂う落ち着いた大人の仕事場。各テーブルの天井からは、時を経た道化師の王冠のような照明が下がっている。壁の絵は地元フィレンツェの画家の手によるもの。
料理は、トスカーナ地方の郷土料理を中心とし,その地方に古くから伝わっている調理法を大切にした、男らしい料理。肉料理としては相当の技量を必要とする狩猟獣・野禽料理(イタリアンだとカッチャッジョーネ、フレンチだとジビエにあたる。)も得意としている。ポーションが大きく、塩がきっちり、味もしっかりしているのは、以前のお店の頃から変わらない。前のお店から比べわかりやすい違いは、メインは肉でも前菜に魚介類系のメニューが多くなったことだろうか。基本的には肉のお店だけど、ある意味肉のような、いや、肉のように力強い魚介料理も捨てがたい。
あと、このお店では以前のお店から比べるとコースの流れというものが意識されており、ここにきて男らしい料理の影に隠れていた優雅さが前面に出てきたようだ。ここには、フレンチ出身のイタリア料理人にありがちな線の細さはまったくない。繊細で女性的と形容されるような料理は世の中にごろごろあるが、このお店のように男性的でなおかつエレガント、というお店は珍しい。
サービス陣も慢性的に人数不足とはいえ、ソムリエの千田氏も素晴らしい。知識に溺れず、客を知識に溺れさせず、予算の範囲内で、いかにもワイン好きという楽しいセレクトをしてくれる。
だいたい予算は6800円(サ・税込み)のコースとワインで12,000円ぐらいからだろうか。以前のお店から比べれば高く感じるかも知れないが、その分立地や食材は明らかに向上しており、京橋近辺のレストランとしてはそれほど高い気はしない。21時以降は、席数は少ないがカウンターのみでワインバーをやっており、こちらも楽しい。
ただ、少し残念なのが場所柄いかにもというお客さんたちが結構いることかな。綺麗なお姉さんが半分近く肉のかたまりを残しているのを見るのはこちらも少し消費のされ方に残念な気分になる。





