レッド・ホット・チリ・ペッパーズ / マザーズ・ミルク
Red Hot Chili Peppers / Mother's Milk
89年作品。EMI在籍最後のアルバムであり、ジョン・フルシャンテ(g)加入後初のアルバムとなる。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズは82年にアンソニー・キーディス(Vo)とフリー(b)が中心となりロサンゼルスで結成された。ファンク、パンク、ラップ、ロックを混ぜ合わせて飲み込んだようなスタイルを売りにし、現在はミクスチャーの祖と呼ばれている(当時は当然そんなバンドの存在は全く皆無に等しかった)。85年ジョージ・クリントンがプロデュースしたセカンドアルバム『フリーキー・スタイリー』をリリースし、コアなファンを獲得。続く3rd『ジ・アップリフト・モフォ・パーティ・プラン』でミクスチャー・ロックという言葉もちらほら聞かれるほどに彼らの存在は知れ渡りだした。ところが、オリジナルメンバーであるギターのヒレルが死亡し、相次いでドラムのジャックも脱退。バンドは苦悩の日々をすごすこととなる。
『マザーズ・ミルク』は、そんな彼らが過去の全てを吹き飛ばすほどの飛躍を遂げたアルバムだ。ファンク的要素をさらに突き詰め、ダイナミックでいてテクニカルな演奏がそこに花を副える。ジョン・フルシャンテの流れるようなギターはこれまでの彼らには存在しなかった楽曲ごとの区切りをクリアにしたし、作りこみが複雑化していったため、フリーのベースもバラエティが増えた。アンソニーは嬉しさがこちらに伝わってくるほど、しっかりしたヴォーカルをリスナーに投げかける。ノリノリナンバーがしっかりと満載され、ビックマックを食べたかのようなずっしりした満足感が残るのだ。
彼らはこのころ、馬鹿馬鹿しさを前面に出し、変態なイメージを売りにしていたが、それをやりきりすぎるほどやりきっていたということに僕はプロの臭いをしっかりと感じる。実際、バンドはそれほどブレイクはしていなかったし、仲間が死亡や脱退していく状況にあったにもかかわらず、彼らは新しいメンバーとともに、前の姿勢を崩すことなく(むしろ前進して)乗り切り、見事セールス的にも結果を残したからだ。さらに、バンドはワーナーとこの後契約を結び、リック・ルービンによる大ヒットアルバム『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』をも生み出した。彼らの音楽にかける情熱は並みのバンドにはないものだし、全く流行に左右されることなく、自分らのやりたいことを追求しつづける信念にはまったく感服してしまう。そう、誰もがレッチリ信者になってしまう理由は、素晴らしいアルバムを必ず用意してくれるプロへの安心感なのかもしれない。いい意味で期待を裏切るその姿勢も含めて彼らは強靭なミュージシャンそのものだと思う。
- 価格: 1714円
- メーカー: 東芝EMI
- 年(代): 1989年
- 団体名: レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
- 2002/07/04更新
- 2002/07/04登録
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