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どん底の人びと ジャックロンドン (THE PEOPLE OF THE ABYSS)

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 19世紀末から20世紀初頭にかけての、貧困のルポタージュとしてはマルクスの「資本論」も負けてはいないし、こっちは理論のおまけもついているが、いかんせんそんなもの薦めてもモテない、密告を受ける、別の勧誘を受けるなどの危険性は現代でもあり、そういう場合このジャックロンドンのどん底の人びとが薦められる。
書籍情報
 だいたいに於いて顔つきからしてビート顔というか、失われた世代顔というか、ようするにハンサムさん(若干しゃくれ)であるが、最後はモルヒネで死んだ。それはこのイーストエンドという、当時最先端の町ロンドンの裏通りにあった、もっとも人間の尊厳が損なわれている場所での出来事が原因となったのかは知らない。
 しかしここで書き綴られている事は、文学的に壮絶である。浮浪者が道に落ちているオレンジの皮を食べるか食べないかというところで人間の皮を脱ぐか脱がないか、という綱渡りを、舗装されたロンドンの石畳の上で描き出すジャックロンドンの筆致はまさに神業といっても良いだろう。他にもいくらでも紹介したい箇所があり、またこれがロンドンのデータブック風になっているのもにくい演出。日本語訳は辻井栄滋、ジャックロンドンの翻訳って悪い訳にあったことがない。よっぽど簡単な英語なんだろうな。最後モルヒネで死ぬけど。
原書

どん底の人びと ジャックロンドン

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