ハナサキホンジン
花咲本陣
「納豆はプライベートな食べ物だ」
高校まで住んでいたところでは「給食で納豆が出る」なんて事はドリフの「もしも…」的なギャグでしかなかったし、大学生になって関東にやってくるまで、人前で納豆を食べる事に接する事がなかったのだ。
大学に入って初めての冬、とあるスキー合宿の朝食で、とても美人で上品な先輩が普通に納豆を食べている姿を見たときのショックは今でも鮮明に覚えている。最近ではさすがにある程度慣れて、定食屋とかでは納豆を頼んだりもするが、何となく人目を気にしたり、食べた後の茶碗のにおいが気になったり、どうも落ち着いて食べた気がしない。もちろん今でも、女の人が同席した場所で納豆は食べないし、相手が納豆を頼んだりすると、いちいちショックを受けてたりする。納豆が嫌いなわけではないが、やっぱり人のいないところで心おきなく食べたいのだ。
となると、どんなときに食べるかというと「朝」ではなくて「夜」だ。「心おきなく」が重要なのだ。酒の肴に納豆なのだ。そして最近、私の中での結論は「納豆は珍味だ」ということ。人生30半ばにしてやっとこのコンプレックスともとれる感情の落としどころを見つけたのだ。
そんな私がここ何年か食する納豆がこれ「花咲本陣」。まずこのおめでたい、華やかでありながら納豆が入っている事を否定しないパッケージデザイン、日本の食べ物デザインとして秀逸で、さらにうまそうなものが入ってそうだ。
そしてこの納豆のすばらしいところは、タレも辛子も入っていないところだ、人生で食べてきた納豆の量など、関東人が5歳までに食べちゃう量にかなわない私が言っても説得力がないかもしれないが、何となくプロっぽい(なんのこっちゃ)。納豆知ってますっぽい、大人になった気分だ。さらに何も入っていないから、味付けをいろいろアレンジして、つまみとして楽しい。ちょっとプロっぽく醤油と、辛子と、白いネギだけにしてみたり。めんつゆ、卵、ワケギ、ちりめんじゃこ、ごま等々いっぱい入れて、うまみたっぷりにしてみたり。辛子の代わりに黒七味や、ゆず胡椒、かんずりを使ってみたり。醤油じゃなくて、塩とごま油にしたり。多様に楽しめる珍味になるのだ。さらに大粒で量もかなりたっぷりだ(100g)、一人でこっそりたっぷり食べたいのだ。
何なんだ、この屈折した納豆愛は…
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