屋代敏博
こんなすばらしい写真家を知らなかったのは,ほんとに不覚….
先日,『文学の触覚』展をみにいった東京都写真美術館で開かれていた,日本の新進作家vol.6 『スティル/アライヴ』展で彼の作品に出会ったのだけど,絶妙のアホさ加減にかなり感激してしまった.
その展覧会に出品されていたのは『回転回LIVE!』という作品で,学校に屋代自身がおもむき,教室や図書室,講堂,中庭などさまざまなところで,派手な赤や青の全身タイツとカツラを身につけた屋代や学生たち(制服のときもあれば布切れで着飾っていることもある)がグルグルと回転する姿を撮影したものだ.
一見するとおかしなかたちのオブジェを日常風景と対置させた作品のようにみえたのだが,そのおかしなかたちのオブジェがグルグル回っている人だったのだ….
普段通りに過ごす学生のただなかで屋代だけが回転しているものもあれば,みんなで回転しているものもあり,学生が回転しているなかで屋代がじっとカメラを構えているものもあった.屋代はじっとしていても,もちろん全身タイツにカツラ姿だ.
撮影現場はさぞやにぎやかでバカバカしい雰囲気だったんだろうなぁと思うし,端からみると異様な光景だったんだろうなぁと思う.自分が普段通っている学校に変な人(屋代)が来て,友達が変な格好して,みんなでグルグル回ってるのだから….
もとは屋代がひとりで全身タイツ姿となり,美術館や寺院,都市のパブリックスペースで回転しているのを写真に撮っていたのだが,それが大人数での作品制作へと発展したという.
展覧会のキャプションには日常と非日常とかいろいろ難しいことが書いてあったけれど,この突き抜けたアホさ加減が最高にかっこいい.
<屋代敏博 公式サイト>
- 2008/01/16登録
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