hon.jp
自分の関心ある検索KWを打てば、それについて書かれていたり、触れられた内容を含む電子書籍を探し出してくれるサイト。
ケータイ小説など電子書籍市場の拡大とともに、今後利用者の急増が見込めるサービスだと思います。読者、著作者双方にとって魅力がありますね。
この運営会社の社長、落合早苗さんは昔、(自費出版の)近代文芸社で出版アドバイザーの仕事をしていらして、当時たまたま、わたしが「思い出づくりに出そうとしていた本」の編集担当をしてくださいました。幾度かの打合せで彼女から届いた自筆メモやFAXの束は、恥ずかしながら今でも大切に持っております。
近代文芸社ってのはある意味“妙な”会社で、『あなたが手を染めようとしている自費出版はほぼ確実に、あなたが金銭的に“損をする”行為です』 ということをまず最初に説明してくれるんですね。
── 失うおカネは少額では済まないし、一般書店に書籍が並ぶことなど望めません。ただ、全国どこからでも電子注文できる出版物にはなります。取寄せできる本である限り、ひょっとしたらヒットする(つまり、初版分が売り捌けて増刷のステップへと進み、ひいては印税収入が得られる)かもしれないぞ…という可能性は微(かす)かに存在します。 良くも悪くも、弊社がご提供する内容は“それだけのこと”なのです。
あなたの夢に向けた“踏み台づくり”を、多少お手伝いすることはできるでしょう。 ですが、くれぐれも!過剰な期待など、なさらないように … と。
結局、わたしは前受金分で原稿のゲラ刷りまでしていただいたところで(出版への)熱意が萎えてしまい、その校正作業を自ら投げ出してしまいました。 当然、本は出版されませんでした。 最後に落合さんから、「どうされたのですか。心配しています」という旨の丁重なハガキをいただきましたが、さんざお世話になっておきながら勝手に匙を投げた、その気まずさから(どうしても)返信することができず、それっきりになりました …。
── たぶん彼女は、そうやって読んでもらいたい本が、いつまでも買い手を待ちつつ何百冊、何千冊と埋もれていく現場を間近に見てきたのだろうと思います。山積する「現実への懐疑心」なしに、この《hon.jp》の発想も生まれないだろうと思うからです。
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