森幸四郎のかすてら
東京駅の大丸が新しい建物に変わって、2ヶ月ほどになる。馴染みのあった以前の建物の、いくぶんあか抜けない、けれど落ち着く空間から一転して、天井が高く、まぶしいくらいの照明に満ちたこの空間は、ここが「東京」ではなく「Tokyo」であると主張しているように見えなくもない。
特筆すべきは地下に生鮮やお惣菜、弁当売り場を残し、1階にあがってきた菓子売り場である。あちらこちらの売り場に行列ができ、なかには若干理解に苦しむ行列も存在はするけれど、それでも「それなりに」インパクトのある商品を揃えました、という熱意は伝わってくる。
そんな「行列のできる店」のひとつがこの「森幸四郎のかすてら」である。かすてらとどら焼きを扱う、売り場としてはとても狭いスペースのそこにできる行列はとても奇妙で、とてもムラがあるのだ。前を通ると誰一人並んでおらず、ちょっとした幸運のつもりでかすてらをひと包み、あるいはどらやき2つというような買い物をしていて振り返ると、長蛇の列になっていたりするパターンが多い。まだ「名が売れていない」ということなのだろうか。単なるかすてらとして見るなら、地味な商品だしなぁ。
もっとも、同じ大丸のなかにあるバームクーヘン売り場のように、いつ行っても長蛇の列という状態になられても困るので(私は行列が嫌いだ。行列は購買意欲の大半を奪う)、いまくらいがちょうどいいかな、と勝手に思っている。店側としては、常時行列ができてほしいのだろうけれど…
肝心のかすてらは、一言でいって「濃厚」。しっとりとしていて、こころなしか重く、味はとても濃い。単に「とても甘い」というような単純なものではなく、ともかく「濃い」のだ。色々なメーカーの色々なカステラにはそれなりの美味しさがあると思うけれど、そのなかでもきめの細かさと味の濃さは頭抜けていると思う。食欲がなくても、これ一切れ食べておけば大丈夫な気すらする。
値段は「ハーフサイズ?」な竹皮包み(あんまり日持ちはしない)が1,575円。もうひとつ「桐箱入り」というのもあるのだけれど、恐れ多くて手をだしたことがないので、値段は知らない。ちなみに、これまた濃厚で美味な「どらやき」は一個210円。1つとか2つ買ってもイヤな顔をされたりは決してしないので、行列の短いときにぜひ、とお勧めする次第。甘いもの好きな人へのオミヤゲも吉。
いまやってみたいのは、文明堂(「森幸四郎のかすてら」も、文明堂のものです)の「天下文明」との食べ比べ。でも、後者は注文してから10日ほどかかるとのことなので、当分は無理か?
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