"Self / Other" at MOMAT
「わたしいまめまいしたわ」現代美術にみる自己と他者 / 東京国立近代美術館
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わたしいまめまいしたわ わたしいまめまいしたわ
同じになる、回文が展覧会のタイトルになっています。「わたし」をとりまく存在の問題を、前から後ろからあらためて見直してみる、美術を通して考えてみる…そんな展覧会が東近美にて3/9まで開催されています。
展覧会は国立美術館のコレクションから厳選された作品群が、「わたしはひとりではない」「アイデンティティの根拠」「暗い部屋(カメラ・オブスクーラ)と「わたし」」「揺らぐ身体」「スフィンクスの問いかけ」「冥界との対話」「SELF AND OTHERS」「「社会と向き合うわたし」を見つめるわたし」
という9つのセクションとして構成されています。
『わたしはひとりではない』で自分が思う「自分」って本当に自分?という疑いから始まり、最後『「社会と向き合うわたし」を見つけるわたし』で他者においての私とは?という問いで終わる…何かの心理学?のようなアプローチに感じます。それぞれどのセクションも気の効いた作品セレクトと解説で、どの部屋も「ふむふむそうかあ」「などほど」と、知的にも精神的にも満足して展覧会を見終われます。
しかし、重要な問題がここに残ります。では、この展覧会を観ている「わたし」はなんなんだ、という問題です。展覧会があまりにも親切丁寧なガイドラインをそえているため、かえって問題を深く感じます…。美術によって、自己というものが様々な切り口でとらえられ、様々な作家が様々なアプローチで表現してきたこの「自己」という問題…では、自分だったらどう答えをだせばよいのでしょう。その方法はこの展覧会では何も指し示してくれないのです。ひとりで考えなさい!という突き放しすら感じます。…なんて、厳しいのでしょう。
あらゆる芸術をとりまく「自己表出」という問題は、古今東西の様々な作品その他からみうけられていたある意味普遍的な問いだと思います。ですが特に「自分探し」という言葉がはやった90年代…その時代に学生だった自分は、やはりこういったテーマに過剰反応してしまいます。いや実際、いつだって自分なんて曖昧であやふやなものだし、歳を重ねたって迷う時は迷うものだとは思いますが…こう、自分から発せられた問題と他者によって発せられてしまう問題とは微妙に異なると思うのです。それは、なんというか同じ星のマーク☆を見てもとらえる意味が人それぞれと違うように、というレベルでの違いのことです。視覚は目をつむるだけで遮られますが、聴覚は耳を手で押さえるというアクションをしなければ遮ることができない、というような違いです。そしてその差異は現代社会で、より複雑になっている…だからこそ、今回のこの現代美術の展覧会はいま(そしていつでも)「観るべき」展示なんだと思います。
高嶺格の代表作「God Bless America」は必見です。この展覧会の要的な牛腸茂雄の「SELF AND OTHERS」(60点全点展示)もあらためて良かったです。それぞれ別のくくりで観られる機会も今後あるのでしょうが、この展覧会で多くの人に見て欲しい、そんな気がします。
「わたしいまめまいしたわ」ー現代美術にみる自己と他者
東京国立近代美術館 2008年1月18日~3月9日
http://www.momat.go.jp/Honkan/...
- 2008/02/19更新
- 2008/02/19登録
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2008/02/19
プーク birochanaさん、さっそくコメント頂きありがとうございます!丁度いま、高嶺さんのKWつなげたとこでした~ いや、ほんと贅沢な展覧会だと思います。巡回しないそうなので、会期中に東京にいらっしゃる機会があれば是非。
もえぎ 新聞評で観てこの回文キャッチに微笑みました。昨年の同様な趣きの企画展『崩壊感覚』にもにんまり、、。学芸員諸氏?による収蔵作品群に再び9つの方向から光をあてる試みはとても面白そうです。低価格で空いているとのこと、じっくり観られそうですね。
プーク もえぎさん、コメント有難うございます。公立美術館が厳しい時代のいま、このように善いものをつくろうとする姿勢はとても好感が持てます。「崩壊感覚」もそうですし…あの2階のスペースは、コレクションをひとつのテーマにした企画展をコンスタントに見せていて、予算がないなかで頑張っている様子が伺えます。とても素敵だと思います。「キュレーション」と称して、作家の意図を無視してでも自らのテーマにそわせて一つの展覧会にする手法について賛否両論あるかと思いますが、時代の隙間に見落とされた作品群に光をあてて、きらりとした魅力でみせる…東近美で開催されているコレクション展は学芸員のエゴの薄い良質のものが多いと思います。(ほめ過ぎでしょうか) KW本文であげた二名の作家のほかにも見所は沢山ある展覧会なので、よかったら是非おでかけされるとよいと思います。
空腹ライフセーバー 須田一政の「風姿花伝」も異様に不穏で良かったと思います。あのコーナー(「冥界との対話」)だけテーマからの乖離がすごかった気もしますが、よく考え直すと「冥界」と「SELF AND OTHERS」が隣接しているのも面白い。
2008/02/20
プーク おお、空腹ライフセーバーさん!コメント有難うございます。そうですね…「冥界との対話」、確かに浮いている感じでしたが、よくよく考えるとその前に「スフィンクス」がでてくるのもちょっと変ですよね(笑)よくある「自分探し」テーマなのに、ひとひねりもふたひねりもあって、それで見終わった後の充実感があるのかもしれません。現代美術の展覧会なのに理論武装したような頭でっかちのガチガチではなくて、それぞれのコーナー(それぞれのコーナーのつなぎかた?)に何かある種の情緒があって、それが不思議な潤いになっているんだと思います。なんだか大絶賛になってきてしまいました…(反対意見の方がいらしたらすみません)
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