冤罪File
たとえば、あなたは身に覚えのない罪で逮捕される。何が何だかわからず、混乱する。あなたにとって不幸だったのは、検察が“事件”として逮捕・起訴したい人間を有罪とする決め手になる証言をできる立場にあったことだ。
もちろん無実だから、容疑を否認する。すると、保釈は認められず、勾留は長期にわたる。家庭が気になる。仕事も気になる。誤解しているだろう、友人・知人の顔が浮かぶ。そこに、検察出身の弁護士──“ヤメ検”が現れる。検察関係者とのパイプも太く、信頼できそうだ。
ところが、彼の弁護方針はこうだ。容疑(無実の!)を認めてまずは保釈、拘置所を出る。公判廷では情状を訴えれば“執行猶予”が必ずつく──とアドバイスされる。なるほど。承服できない部分も多々あるが、少なくともこれで自由の身になれる。
こうして検察の筋書き通りの“事件”が成立し、主たるターゲットだった人間も逮捕される。これが、俗にいう「国策捜査」である。26日に控訴審判決で控訴棄却の判決を受けた鈴木宗男氏のケースも、これにあたりそうだ。
さて、一審で執行猶予がつかなかったとする。あなたはあわてる。二審では一転、無罪を主張する。しかし、すでに時遅し・・・「自白は信用するに足る」。こんな話、聞いたことが何度もあるだろう。
起訴したら99%有罪──という神話は、こうしてでき上がっている。
今月、こうした“司法の闇”を追及する雑誌「冤罪File」が創刊された。巻頭特集は映画「それでもボクはやってない」の周防正行監督のインタビュー。多くのメディアがあらかじめ容疑者を裁いてしまう報道ばかりに終始する中、注目していきたい。
ちなみに、冒頭の事例は実際の“事件”に基づく。
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