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地球幼年期の終わり (Childshood's end)

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 言わずと知れたアーサー・C.クラークの代表作。個人的には最高傑作。内容はもうここでくだくだしく書くこともない。書棚を調べたら、ボロボロになった沼沢 洽治訳の創元推理文庫版が出てきた(この最初の訳本だけ頭に「地球」が付く。まあ意図は良くわかる)。確か高校生の頃に最初に読んだはずで、最初のものは本の形が崩れてしまって買い換えた記憶がある。(この表紙は何刷目なのだろう、と調べたら、1973年刊で10刷でした。そうか35年前なのだな/笑)
 Amazonで調べたら、その後、1979年の福島正実訳(早川書房刊)と、米ソ冷戦をモチーフにしていた原作の第一章がさすがに古くなったので、この部分だけをクラークが書き換えて1989年に出版した「改訂版」(?)の翻訳が、2007年に光文社文庫で出ていた。SFとしては実に息の長い、もはや古典の部類ですな。
 この作品の最終部分の「人類進化の最終ステージ」は、壮大なイメージ喚起力で、読みながら心底震えたものだ。その後、いろいろな作品に深い影響を刻印していて、SFで言えばグレッグ・ベアの『ブラッド・ミュージック』なんかは一例だと思うのですが、その他、ダリの『Santiago El Grande』なんていう絵は壮年のダリの「科学を媒介にした人類の宗教的進化」みたいなものをクラークのモチーフで表してるんじゃないか、などと、とても個人的に(高校生の頃から、それこそずーっと)思ってたりする。違うかも知れんが(苦笑)。
 調べてみたら、英語版のWikiにも、かなりマニアックな記述が(苦笑)。おお、そうですか。Peter Gabrielがいた頃のGenesisのWatcher of the skiesも、これにインスパイアされたんだとかイロイロ。表紙絵は米国版も味があるけど、東京創元社版のこれ(真鍋博さん)の方が、ずっといいなあ(笑)。

というわけで、スリランカでお亡くなりになったA.C.クラークを偲んで。

地球幼年期の終わり

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Fallout
  • 2008/03/20更新
  • 2008/03/20登録
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コメント (7)

最新コメント5件

2008/03/20

島崎丈太 クラークさんが亡くなって、曲がりなりにも「人類の輝かしい未来を描いていたSF」に一つの里程標(曲がり角?)を感じます。 自分の人生に多大な影響を与えた方だと思うので、なんとも言えない寂しさと、感謝の念と、畏敬の念とが交じり合っています。

2008/03/21

一昨日、たまたま社長から聞きました。また読み返します。

2008/03/22

Fallout ぬさん、どうも。オレも光文社文庫版を久々に読んでみようかと思います。

Fallout 島崎さん。中学時代の定期購読雑誌が「SFマガジンで」、高校に入ったら「お前、もうSMなんてマニアックなの読んでんの?」とかあらぬ誤解を受けるにいたった私は、内宇宙への朔行を標榜するNew Wave(J.G.バラードの一連の短編とかトマス・M・ディッシュの「リスの檻」やら「宇宙の熱死」(の翻訳)が一時期連載状態でした。売れたのか)にリアルタイムで洗礼を受け(苦笑)、『SFといえば(どちらかと言うと)ディストピア』な方向で生きてしまってるんです(苦笑)。もっとも、その前に読んでいたウェルズのタイムマシンもそうだし、ヴェルヌの海底2万哩のノーチラス号も暗い怨念の産物だったのですよね。ああ、オレは根暗のSFモノだなあ(笑)。いずれにせよ、人はどこからきてどこへ行くのか、について強烈なセンス・オブ・ワンダーを(暗い/笑)SFに刷り込まれて、50を超えた今でも残響している、ということですね。いやはや(苦笑)。

島崎丈太 『SFといえば(どちらかと言うと)ディストピア』な方向>そうですね、私は「暗い方のSF」と「明るい方のSF」、という風に分けて考えていて、クラークとかアシモフは明るい方の巨頭だと思っています。(余りに大雑把過ぎて、書いていて恥ずかしいですけれど・・・ 多分、SF初心者のまま50歳寸前まで来てしまっているからか) 今日の早川さんだと、早川さんに「ふっ」とか鼻で笑われて馬鹿にされそうです。

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手塚治虫は言った。「次の人類に期待しよう」…と。アーサー・C・クラークのこの不滅の名作SFも、われわれが人類としての「幼年期」にあったのだ、というテーゼを提示することによ...

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