ムンク
ノルウェーの画家。生の不安、愛の苦悩、死の恐怖など人間の内面を表現した作品で評価が高い。メランコリックな主題は19世紀末の厭世観の影響というよりは、ムンク自身の気質と体験によるものだ。ムンクの家庭は、彼が幼少の頃に母が結核で死んだのを機に父が宗教にのめり込むようになり、生活が苦しかった。14歳のときに姉も結核で死んでしまい、おまけに妹は精神病気に入院していた。彼自身も病弱で、死に怯えていたらしい。
ムンクは30代前半までの間に代表作の多くを描き上げている。彼が反体制的なグループや進歩的な知識人らと交流を深め、自由奔放な生活の中で画家としての才能を存分に発揮した時期だ。しかしそれは同時に、奇妙な三角関係・四角関係の泥沼に神経を磨り減らしていた時期でもあるのだ。後には女性関係のトラブルから発砲事件まで起こし、やがて彼も精神が不安定になって入院することになる。
有名な作品の多くは作者の個人的体験の昇華でありながら観る者の暗い心を映し出しているように思える。人間がどんなに進歩しようと永久に逃れられない苦悩を突き付けられているようで怖い。
・2008-03-20
兵庫県立美術館の「ムンク展」に行ってきた。ムンクを装飾画家という視点で捉えたものだが、初期の「生命のフリーズ」は代表作が多いので見ごたえがある。いきなり「吸血鬼」と対面で迫力満点だ。「叫び」の本物はなかったが、「ムンクさん」が売られていた。10年ほど前の展覧会で見た「さけびちゃん」はもっと可愛かった気がして調べてみたのだが、同じ物でデザインは変わっていないようだ。とすれば、記憶の中のさけびちゃんが美化されていたことになる。
- 2008/03/21登録
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