13歳の少女と1000人の良心の囚人、150万人の死者
ガワン・サンドル
ガワン・サンドル=以下敬称略=は、ラサ生まれの尼僧。1990年、13歳のときデモに参加、「チベットに独立を、ダライ・ラマに長寿を」と叫んで9か月間投獄される。
2年後、再びデモに参加して逮捕され、懲役3年の刑を言い渡される。え? デモに参加しただけで・・・。経緯については異なる記述も見られるが、刑務所内での肉体的・精神的拷問のすさまじさについては一致している。しかし、彼女はこの最悪の環境下での活動を通して、“伝説の”チベットの少女となる。
収容された翌年には、13人の尼僧たちとともに愛国歌を録音。このテープは塀を越え、ヒマラヤを越え、世界中に届けられる。この件で、刑期は5年延長。96年には拷問のさなかにチベット独立のスローガンを叫び、98年は刑務所内での!独立要求デモに参加。これらの行動により、2014年までの収監と次は死刑だと宣告される。
それが突然、02年に仮釈放される。当時の総書記・江沢民がブッシュを、テキサスの牧場にたずねる数日前のことであった。
私たちはブームとなった1冊の書物を通じて、チベットの人びとの途方もなく深い精神世界と、そのきわめて穏やかな人間性を学んだ──『チベットの死者の書』。その彼らが、いま怒っている。よほどのことだと思わざるをえない。
「世界報道自由ランキング」で169か国中ワースト7の国の報道など、もちろん全く信用できない。1950年の人民解放軍の侵略以来、一説には150万人が犠牲になり、今なお1,000人前後の“良心の囚人”が投獄されているという。今回の“暴動”については、こちらなどYouTubeに続々とアップされている。
ガワン・サンドルは現在、アメリカ在住。今も拷問の後遺症に心身ともに悩まされているという。ラサに残る親族の身を案じながらもInternational Campaign for Tibetで働き、チベットの自治(ダライ・ラマが求めているのは、独立ではない)の回復をめざしている。
#Touch the Earth III
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コメント (2)
2008/06/26
甲斐駒 『チベットの囚われの少女』は、もっと、もっと紹介されるべき本だと思います。3月のチベットの騒乱や聖火リレーでの混乱をめぐって、テレビ朝日の「報道ステーション」では、加藤千洋さんが解説をされ、以前ラサを訪れた時は街路樹や道路がきれいに整備され、発展していた。今回の騒乱の原因は、中国国内での富の再配分が、まだうまくなされていないためだと述べていた。それは違うだろうと思います。言論や信仰の自由、人間としての尊厳は、金では補えないと思います。
2008/06/28
四月の旅人 甲斐駒さん、コメントありがとうございました。私たちはかの地を「チベット自治区」と呼んでいますが、実態は中国の統治領──“植民地”です。ほんの少数の漢民族が、権力の中枢を独占しています。かつての植民地は戦後、国連の信託統治に移行して現在ではすべて独立しました。私はこの国をしばしば「70年遅れている」と書いていますが、統治国側の国民でさえ命を賭してでなければ体制批判をできないような国に支配されるなど、悲劇以外の何者でもないでしょう。しかし、国際社会は沈黙している・・・フランスの二の舞にならぬよう(怒)。
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