アントニオ・マルケス
NHKハイヴィジョン特集で「サパテアードは止まらない~スペインの至宝アントニオ・マルケス」が放映された(3月23日午後7時から)。サパテアードとは靴音のテクニック。タップ・ダンスのもっと激しい、フラメンコのダンスの靴音だ。
特集の詠い文句「 頭のてっぺんからつま先まで、完璧なハーモニーを持った美しさを称えられる国際的スペイン舞踊家 アントニオ・マルケス。シャツの上からでも想像できる鍛えられた肉体。体の隅々にまで神経を研ぎ澄ませた身のこなし。ラテンの色気を帯びたまなざし。歌舞伎役者のように見栄を切る男ぶり。まるで、スペインの粋が踊っているようだ。」
番組では、アントニオ・マルケスが3年ぶりの新作に挑む日々に密着している。マルケスが26年前に出会った、グランド・アントニオの物語を綴る。フラメンコをアメリカへ持ち込み、それまでのフラメンコが即興だけであったものを、まとまった踊りの体系にまとめた人らしい。
番組の中で展開される日々の稽古は、並大抵のものではない。確かにかそけきピアニシモから轟くフォルテまで、そしてその靴音の拍数の激しさ……。マルケスに学びに稽古場に集まっている若者たちの芸を盗もうとする目つきの先で、華麗に躍りまくる。「外のフラメンコのグループの練習とは格段の違い」という。
新作の成果は、スペインでもフランスに近いバスクの街で開かれる。独自の言語を持ち、民族としてもスペインからの独立を求めてきたバスクのお客さんは「マルケスなんて聞いたことはないが、どんなものか見にきた」。バスクでマルケスの名声は轟いていないらしい。
マルケスの舞台稽古は、開幕の直前まで続く。舞台の響きがおかしい。前日のクレームで舞台の表面に施した工事で、スパナの1本でも、中に忘れられたものらしい。踏み鳴らす靴音が勝負だけに、マルケスの音響に対する神経の細かさ、スポットライトの位置ひとつまで、すべてを自身で仕切っている、その熱情。
会場は、初めの冷淡さから、どんどんヒートアップして、最後は満場のスタンディング・オベーション。良いものを見ました。
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コメント (2)
2008/03/24
キルシュ この番組私も見ましたが、なんともすごいエネルギーを感じました。スペイン舞踊に今まであまり関心なかったのですが、アントニオ・マルケスの舞台を生で観たくなりました。
2008/03/25
chagale キルシュさん、確かに生で舞台を観たくなりましたね。稽古場を見るだけでも良いです、と言う感じ。スペインには言ってみたいな、と思います。マルケスはバルセロナから、そんなに遠くない所で生まれ、バルセロナを中心に仕事もしているようですが、スペインは地方ごとに、それぞれが独自の雰囲気をもっているようです。ゴヤの世界も、ピカソの世界もあるのかも知れない、なんて思ってしまいます。キルシュさんの空間を覗いたら、しばらくお休みしていたのでしょうか? もう春だよ! という感じなのかな。
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