海の砂漠
“海の砂漠”が広がっている。
バミューダ諸島とフロリダ半島、プエルトリコをむすぶトライアングルは古くから不可解な事故の多い海域として知られ、さまざまなミステリーの舞台ともなってきた。メキシコ湾流と北赤道海流がつくる巨大なうず潮の内側にあって、ほとんど潮の流れがない。風も吹かない。“海の墓場”と呼ばれる所以である。
一方で、海水が入れ替わらないため、海の生態系の要となる植物性プランクトンにも乏しい。生物が極端に少ない“死の海域”でもある。それゆえ、透明度66.5mという世界記録も達成している。
右上の画像は、NOAAが植物性プランクトンの光合成の状況を、過去9年間(98~06年)の人工衛星のデータから解析したもの。海水中の葉緑素の量を示したものだが、バミューダ海域はやはり1㎥あたり0.07mg以下という「黒」のエリアとなっている。
しかし一見してわかるように、そんな“死の海域”は赤道をはさんで、南北に広がっている。地球温暖化によってバミューダ海域と同様に海水が入れ替わらなくなり、深層から表層への栄養分の供給が減ったことが原因だという。NOAAによると、その面積は太平洋・大西洋それぞれで20%にまで拡大しているという。
地表の7割を海洋が占めるこの星は、しばしば“水の惑星”と呼ばれる。人体の7割を水分が占め、血液に含まれるミネラル組成が海水とほとんど同じであることは偶然ではない。それはまさに、生命が海から誕生したことを物語っている。
しかし、地球をひとつの生命体ととらえたとき、こうした病巣を生み出す人類とはいったい何者か──。
- 2008/04/05登録
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