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ワタナベヒトシ

渡辺等

マエストロにしてマニエリスト。

最初に意識したのは、zabadak「音」発売時のライブであった。前から3列目くらいで観ていて、ちょうど等さんの正面だったのだが、ベース弾きながら横揺れしていいて、ベーシストって直立不動のイメージがあった私には強烈なインパクトだったのだ(笑)。

その後、さまざまなアーティストのサポートをしていることを知り、あらためて我が家のCDライブラリーをチェックしてみると、出てくるわ出てくるわ(笑)。前述のzabadakはもとより、遊佐未森、鈴木祥子、谷山浩子、karak、GONTITI、溝口肇、菅野よう子、新居昭乃、坂本真綾、等々(特に菅野よう子が手がけているアニメのサントラでは、溝口肇と渡辺等はもはやバリューセットのごとく必ず参加している)。

しかし、私の趣味は偏っているが(笑)、渡辺等はなんでも来いといわんばかりである。オフィシャルサイトの「ディスコグラフィー」→「セッションアルバムリスト」をチェックしていただければわかるとおり、井上陽水からチャゲ&飛鳥、あがた森魚からサザンオールスターズ、フリッパーズギターからスパイラルライフ(笑)、ル・クプルからモーニング娘。と、仕事選べよ! とツッコミたくなってしまうほどの活躍ぶりである。

さまざまなジャンルのアーティストからの依頼が多いのは、魅力的なベースであることはもちろんだが、それだけではなく、弦楽器ならたいてい弾きこなせるというのが理由ではないかと思う。試みにソロアルバム「portrait of summer」で使用されている楽器を挙げると「mandolin, mandola, mandocello, electric mandolin, psaltery, ukulele, bouzouki, acoustic guitars(12 steel strings, 6 & 8 gut strings), cello, contrabass, electric basses(4 & 6 strings, fleted, 4 strings fletless, 5 strings upright), sitar bass」である。

90年代からのファンなので経歴についてはあまり詳しくない。田中雄二『電子音楽 in JAPAN』(アスペクト)の終章にいくらか詳しいことが載っている。高校時代すでに凄腕として知られていたらしく、戸田誠司が大学時代にやっていたバンド「極東通信」に参加。その後、福原まりが加わってSHI-SHONENとしてデビュー。同時期、矢口博康をリーダーにしたリアル・フィッシュとしてもデビュー。リアル・フィッシュはSHI-SHONENの4人に矢口博康と美尾洋乃が加わったメンバー構成(リーダーは矢口)とちょっとややこしい。その後はセッションミュージシャンとしての仕事が中心でバンド活動はしていなかったと思われる。1990年に金子飛鳥、佐藤正治、塩谷哲とAdiを結成し「HOME」をリリース。佐藤脱退後、ボーカルにTECHIE(本間哲子)とドラムに仙波清彦を迎え「Adi」「SOFTLY」「GOLCONDA」をリリース。残念ながら現在は活動していない。

ソロ作品としては「渡辺等とHililipom」(1991年)、「portrait of summer」(1998年)、「chamber」(1999年)、「Boring」(2002年)、「Two Doors」(2003年)がある。1st以外はオフィシャルサイトで購入可能。3rdまでは多数の楽器を多重録音し、不思議な音世界を作り出していたが、4thで12弦フレットレスギター1本での演奏に挑戦、シンプルかつ奥の深いものに仕上げている。5thはロサンゼルスでレコーディング。海外のミュージシャンとのセッションにより新しい可能性を追求している。

ライブでは桑野聖(violin)、Chikara(bass)、仙波清彦(drums)という編成で、素晴らしいパフォーマンスを披露している。新曲も発表され、この編成でのレコーディングが待たれる。

できれば各アルバムごとにキーワードを立てて紹介したいところだが、とりあえずここで4作について簡単な紹介をしておく。

「渡辺等とHililipom」
14世紀頃、アジア中部で活躍したヒリリポンという管弦楽団の作り出した音楽という設定のアルバム。ジャケットの解説によれば「Hililipomは線の音楽~楽隊です。線とは、☆単音のこと。和音の壁ではなく。☆弦の形は線。」となんだかよくわからない(笑)。バラバラな楽器の音が糸を捩っていくように少しずつハーモニーを形成していく「バスケットロンド」など実験的な作品が多い。

「portrait of summer」
さわやかなアコースティックサウンドが心地いい。Adiでの成果が反映しているといえるだろう。Adiサウンドをひとりでやってみたら…というようなコンセプトなのかもしれない。

「chamber」
近年は佐野康夫とともにAIR(車谷浩司)のサポートをしたり、同じ事務所のAREPOS(れいち、清水一登)のサポートをしているが、その繋がりで、車谷、佐野、れいち、清水が参加。前作の流れを受けつつ、ちょっとアグレッシブなサウンドを展開。

「Boring」
ソロライブをするにあたり、これまでのソロアルバムの曲をひとりで演奏するには…と考えて採用されたのが12弦フレットレスギター。数回のライブで手ごたえを感じたのか、今回はレコーディングも同様のスタイルにした。シンプルだが、とても一本のギターで演奏されているとは思えないくらい変幻自在の音色の波が襲ってくる。

「Two Doors」
ロサンゼルスで海外のミュージシャンをサポートに迎えて録音された。1曲目のセルフカバーの「Portrait of summer」から、これまでの緻密に作りこまれたサウンドから開放的なものへと変貌を遂げていることがわかる。より自由に、しなやかに渡辺等は進化を続ける。(2005.5.25.)

渡辺等

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投稿者:
やっき

コメント (4)

2002/07/22

SSMG しかしほとんどカブりますね、その音楽趣味(笑

くま・極光 う~ん、かぶりまくっているなあ、私も。

スミタニ チヒロ 確か兄弟でベースやってなかったっけ?この人。

2002/07/23

やっき 等さんがサポートしているミュージシャンたち同士も交流があったりするので、かぶってくるのは当然でしょうね。しかし身近にはそういう人はいませんね(笑)。ご兄弟の話は初耳です。ちょっと検索してみましたが、これという情報は得られませんでした。気になる…。

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