モーツァルト:歌劇《ポントの王ミトリダーテ》
「ドン・ジョヴァンニ」に引き続き、BS2が2006年モーツァルト・イヤーのザルツブルク音楽祭で上演されたオペラを放送してくれた。こういう機会でもないと、あまりポピュラーでない作品は見なかったろうなあ。
さて、ストーリーだが、物語を上手に要約してくれているセンテンスを転載する。
ポント王国は黒海の北にあってミトリダーテ6世はローマ帝国の強力な敵であった。物語は戦場のミトリダーテ(R・クロフト)が本国の長男ファルナーチェ(B・メータ)と次男シーファレ(M・ペルソン)の誠意を試そうと自分の死亡説を流すところから始まる。長男はローマの総督(P・ベルタン)と通じ、次男は父に誠実だが、王の若い婚約者アスパジア(N・オール)と愛し合っている。王は3人を厳しく罰しようとするが、戦いに傷つき死の間際に彼らを許すという筋である。
シェークスピアの「リア王」を思わせる筋だが、こちらは(王は亡くなるが)ハッピーエンドでは終わる。王と息子(または息女)との相克というパターンはギリシア悲劇以来の骨格なのだろう。、原作戯曲はジャン・ラシーヌ(どこかで名前は聞いたような)である。
初見のオペラだったので筋を追うだけで精一杯だった。各幕各場についてはこちらを読みながら見ると理解の助けになる。また、各幕各場のアリア名についてはこちらが参考になる。
大きな鏡を使ったモダンな演出が印象的。音楽については(正直なところ)後年のモーツァルトの成熟には及ばない。
ところで、この作品では男役の声にメゾソプラノの声域が当てられている。モーツァルトの時代にはカストラート(当然に今日ではカウンターテナー)が使われていたと思われる。そういう意味では過渡期の作品と言っていいだろう。これらの作品の経験を踏まえてモーツァルトは後期傑作(「フィガロの結婚」等)でオペラ新時代を開くのである。
以上、俺のリピート観賞用にキーワード登録させてもらった。
モーツァルト十四歳のオペラ観る還暦前の雨の五月に
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