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「激動の昭和史 沖縄決戦」岡本喜八監督+新藤兼人脚本 (げきどうのしょうわし おきなわけっせん)

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独立愚連隊シリーズなどアクション映画の達人、岡本喜八の作品である。『日本のいちばん長い日』(1967年、これは見応えある価値ある一作)、『肉弾』(1968年、未見)と合わせて岡本の戦争三部作と言われている。

そして、脚本が新藤兼人(96歳にして現在も現役で活躍、70年の映画キャリアを誇り、世界最長老の映像作家のひとり)。対馬丸事件もちらっと出てくるなど沖縄戦の全体像を伝えようというメッセージが込められたシナリオだと思う。

シナリオに盛り込まれたエピソードが豊富すぎて消化不良のところもあるが、映画の主役は三人の軍人。沖縄三十二軍司令官牛島中将(小林桂樹)、参謀長少将(丹波哲郎)、同じく八原大佐(仲代達矢)の三人だ(ポスター参照)。映画の詳細は、本土決戦に備える大本営の協力を得られないまま苦境に陥っていく三人の姿を中心に、他部隊の奮戦ぶり、臨時看護婦として健気に働くひめゆり部隊などの民間人の苦闘を並行して描き出すに譲るが、最も興味ある人物(主役と言っていいだろう)は八原大佐(仲代達矢)だ。

映画の終末近く、牛島中将(小林桂樹)、長少将(丹波哲郎)は責任を取って自決するが、八原大佐(仲代達矢)は牛島の命(生きて戦闘経過・戦訓を伝えよ)に従って民間人の服装でなんとか逃亡しようとする。それを沖縄人の一老人に見破られて「恥ずかしくないのか、おまえの戦友はみんな靖国の森に行ったのだぞ。おまえも死ね」と問い詰められる。老人の背後には難を逃れようとして洞窟に潜んでいる民間婦女子たち、そして崖の上には米兵が現れる。八原大佐は米兵に声をあげて向かって行く(民間人も救おうとして投降を決意したとの暗示的シーンだ)。

戦争を描いた日本映画の中での屈指のあの傑作「人間の条件」(五味川純平原作)の主役を演じた仲代達矢に軍人に数少ない合理性を有した知米派八原大佐(彼は生きて虜囚の謗りを甘んじて受けた)を演じさせているのも映画のメッセージだ。死ぬための戦争をするな、生きるための戦争を(どうせなら)合理的に遂行せよと俺は受け止めた。

日本軍人の死者10万、民間人の死者15万というテロップを映画は出す。沖縄住民に集団自決を日本軍が強要したか否かという表層的な事実の確定も大事だけれど、沖縄戦の全体像把握、そして、なぜ沖縄が地上戦の焦土となったかを今後も考え続ける必要があるだろう。1944年8月時点での連合軍の戦略では、沖縄よりも先に台湾を攻略することが計画されていた。台湾を拠点とした後に、中国大陸あるいは沖縄のいずれかへ進撃することが予定されていた、また、アメリカは、沖縄を奪いとること、それは日本を単独占領するという目的を実現するためが一つ。それ以上に、中国侵攻の拠点にするという目的を持っていたとの見方もあることを映画を見てネット検索で知った。

沖縄返還の年(昭和46年)に8・15シリーズの一本として作られた作品である。これを超える沖縄戦を描いた作品をいつか日本映画が生み出すことを期待しよう。

「激動の昭和史 沖縄決戦」岡本喜八監督+新藤兼人脚本

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土曜日
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  • 2008/05/31更新
  • 2008/05/31登録
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