神谷バー
かつて浅草が東京で一番の繁華街だったころ、浅草は文学と関係が深く、神谷バーにも作家たちが出入りした。
ロック座などと並び浅草の夜明けともいうべき店にふさわしく、神谷バーの所在地は「浅草1丁目1番1号」。
名物はなんといってもデンキブラン。一杯たったの260円である。
明治13年創業、大正10年に完成した建物は今なお健在。関東大震災も経験したし、空襲でもここら一帯焼け野原になり浅草寺も焼けたにも関わらず、神谷バーは現在でも老朽化を感じさせずここにこうして建っている。
名物デンキブランは、ブランデー、ジン、ワイン、香草などでできたカクテルで、独特の芳香をもち、非常に口当たりがきつい印象。そして酔いやすい酒である。公式サイトに“アサヒの生ビールをデンキブランと交互に飲むのが「カミヤ流」”などと断言的に書かれているのだが、どうもビールなどはデンキブランに比ぶればチェイサー程度なのらしい。そしてここの生ビールもやはり、吾妻橋の東岸に鎮座する黄金オブジェビルでお馴染みのアサヒビールなのである。
現在の神谷バーは、客層、雰囲気が非常に大衆的で、まず見慣れない客を常連は放っておいてはくれない。いちげんの客も外国人観光客も等しく年配の常連にデンキブランをおごられ、どこから来たのかと訊ねられ、若い頃の話を聞かされる。それが洗礼である。そしてこちらも訊ね返せば、少々ばつが悪そうに、中央線の西のほうなどという答えが返ってくる。案外、浅草を地元とする人たちよりも、遠くからわざわざ来ている人が多いようだ。
明治・大正・昭和、そして現在も絶えることなく浅草のサロンであり続けている。
- 年(代): 1921年(大正10年)竣工
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住所:
東京都台東区浅草1-1-1
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- 2008年3月5日撮影
- 2008/06/01登録
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