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まつりのじゅんび

「祭りの準備」黒木和雄@役者で見せる青春映画の傑作

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原作・脚本の中島丈博自身がモデルと思われる青年・楯男(江藤潤)(信用金庫勤め)が、故郷(昭和30年代初頭の高知県中村市)を出奔、東京行きを決意するまでを描く青春映画の傑作(詳細ストーリーはこちら)。「竜馬暗殺」は白黒でちょっと見づらかったがこちらはカラーで見やすい黒木和雄の代表作。

夫が女を作って別居、おまえだけが頼りと繰り返し息子に言う鬱陶しい母親を馬渕晴子、好色でそれでいて憎めない土建屋アホ夫・父親をハナ肇、青年が想う「知的」左翼ぶりっ子女性をあの竹下景子、そして黒木作品に不可欠な原田芳雄が青年の幼馴染の悪党(強盗殺人まで犯して警察に追われてしまう)、他に浜村純など芸達者を揃えている。1975年製作のATG映画だけど、出演料だけで予算を食ってしまったのではないかと心配なくらいである。

そんな役者のうちで一番の見ものは竹下景子だなあ。寅さんのマドンナを何度か演じているが何故か好きになれない竹下景子、この作品当時は何歳だろうと検索したら1953年生まれと判明した(当時22歳)。大胆なヌード、ベッドシーンもイイけど、それよりも知性を気取ってアカにかぶれて東京から来たアカ・オルグに捨てられて「やっぱり信用金庫勤めの青年がいいわ、私の将来のためには」(俺の勝手な妄想台詞)と計算高く青年に体を売ってくるのである(これも俺の妄想)。あの嫌味な美人、竹下景子にピッタリな役柄と演技であったと評価したい。

それはともかく、青春(思春期)の男の欲望は天を貫くぐらい激しく切ない(妄想しつつ自涜しているのを母親に見つけられるシーンあり)。そして、この薄汚い欲望と同時に青春は未来への希望も持つ。こんな田舎から鬱陶しい母親から逃れて東京で自分の未来に挑戦したいと希望するのだ(母親を不憫に思いつつ)。

そして、映画のラストは、逃亡中の原田芳雄にたまたま駅で出会い万歳三唱されて青年は列車に乗り、列車は暗いトンネルに入って暗黒の中で「完」のマークが出る。いろんなことがあったけれどまだまだ序の口、祭りはこれからだと映画は暗示して終わるのであった。

ところで原作・脚本の中島丈博はいったいどんな人かと検索したら面白いエピソードがあったので、転載リンクしておく。

1993年、『炎立つ』の原作者・高橋克彦の原作執筆の遅さから、高橋やNHKと対立。1999年、『元禄繚乱』の打ち上げの席で、主演の中村勘三郎の演技を「目が死んでいる」と非難。勘三郎とつかみ合いになる。2006年、ドラマ『愛の流刑地』の脚本を執筆していたが降板。月刊誌「シナリオ」2007年2月号でその顛末を記し、井坂聡監督らを痛烈に批判した。井坂は同誌に反論を寄せ、中島はそれに再反論した。

土佐っぽだから血の気が多いのだろうなあ。男は血の気と精の気とが矢張りいのちだ。いつかカレセンになるとしても。

「祭りの準備」黒木和雄@役者で見せる青春映画の傑作

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土曜日画像 投稿者:
土曜日
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