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ヤスクニ

「靖国」

  • 「靖国」の画像

今日みてきたので軽く感想というか自分なりの内容まとめ
(※ネタバレ含むので気になる人はみないでください)
 

内容としては「靖国」という問題やそれを巡る人々について外国人の立場からフィールドワークした、って感じ。外国人っていうか中国人。「ゆきゆきて神軍」よろしく全体的にハンディ使ったドキュメンタリータッチで描かれてる。それは「ドキュメンタリーですよー(中立ですよー)」ってメッセージを伝えるのには効果的だったように思うんだけどカメラ持ったまま移動するシーンがけっこうあるので正直ちょっと酔った。映画で酔うのは珍しいんだが…

構成としては

(1)靖国を肯定し賛美する人々

(2)靖国を批判する人々

(3)靖国を生きる人々

って感じだった。てか、(1)以前に(0)として靖国刀匠がfeatureされこの人へのインタビューを並行させて映画は進んでいく。(0)は靖国を生きる人々って感じで(3)に展開。


最初のほうで8・15に靖国神社に参り高揚した気持ちを発散させる人々の様子が映される。各々軍服に身を包んで靖国神社の意義や「御霊」「英霊」といった言葉を唱える人々の様子。それをしばらく続けた後で靖国を批判する人々とその論点が映し出される。大きなところで「合祀反対」、「南京大虐殺」うんぬんといったところ。両方ともその是非や真偽についてはこの映画だけでは追いきれないほど深いテーマなので「そういうことを訴えている人たちがいる」という程度で映し出し場面が展開していく。

その中で「100人切りがあったか否か」というのは「南京大虐殺はあったかどうか?」とも関連する論点なんだけどここで(0)の刀匠へのインタビューシーンに移る。刀鍛冶の老人は「ワシはただ天皇陛下を敬い、刀を作ってきただけ」ってタイプの人なので政治的なことは分からなそうなんだけどインタビュアーである監督がなんとかこの老人から「ふつーに靖国を生きる人々の感覚」的言質をとろうとしている様子が伺えた。老人のほうはそれを警戒してか監督の質問にまともに答えずに二人の会話は進んでいくんだけどその中で「100人切り」に関わるシーンが印象的だった。「100人切りがあった」っていうのがマズイってことは分かりつつ一人の刀鍛冶として自分の作った刀(あるいは先代たちが作った刀)の性能は誇りたい。その間のジレンマというか、…まぁけっきょく「わしの刀はよく切れるから。そんな滅多なことでは折れはせんよ」的なことを言ってしまっていたんだけど
 
(ここで詰めれば「100人切りで使われたらしい靖国刀は折れづらい」 → 「一般に”刀の耐久度もあって100人切りはムリなのでは?”といわれているがいまの証言が本当なら可能?」ってできるわけだが)


最後に(4)として戦時中の演習のカットを集めて編集し直したものが展開される。主に靖国、天皇参拝、日本刀の演習、日本刀をもった兵士が戦場での武勲を誇る様子など。これらのシーンは音声もなく音楽とカットだけによって展開されていたけれど言外に監督のメッセージを伝えていたように思った。中国の人というのはここまで日本刀を怖がるのだなぁ、と。てか、日本刀や剣道が日本軍国(帝国)主義の象徴のように見えるんだろうな。その上で最後のシーン、刀鍛冶の老人が徳川光圀の歌を吟じるシーンが効いていた


「詠日本刀」
蒼龍猶未昇雲霄
潜在神州剣客腰
髯慮欲鏖非無策
容易勿汚日本刀

蒼龍、なお未だ雲霄に昇らず
潜んで神洲剣客の腰に在り
髯虜鏖(みなごろし)にせんと欲す策無きに非ず
容易に汚す勿れ日本刀


水戸光圀の「日本刀を詠ず」の解釈について教えてください - Yahoo!知恵袋


意味とか文脈的にはリンク先を確認してもらったらいいと思うけど「刀」-「みなごろし」だもんなぁ。。あざといというか。。この老人もこんな編集されたらたまらんだろうなぁ




んで、全体の感想を軽く

最初のほうの靖国肯定派の参拝のシーンではちょっと涙が出るほどくやしくなったというか、なんか気持ち悪くなった。

全体的に「中立」という形で撮りつつも「軍服コスプレで痛いこと言ってる人々」って編集がされてたように思ったんだけど、そういう人たちが気持ちよさげに靖国参拝してる中でなんかよくわからないアメリカ人が星条旗を掲げつつ神社の鳥居辺りに立っているシーンがあった。

彼は表立っては「小泉支持デス!」とか言ってたんだけど手には星条旗が握られてて…それを見た人たちの中からだんだんと怒りが沸いてきてた。そんでその中の一人がこのアメリカ人に投げかけた言葉「広島を忘れない!」を聞いて笑ってしまった。いまのいままで「HIROSHIMA」的なものと真逆の行動をとっていた人たちの中から「広島」って言葉が出てくるとは…!

「忘れない」もなにも戦後しばらくの間、広島を陸の孤島状態にして「原爆」の事実が伝わらないようにしたのは日本国ではなかったか? そういうことを感じつつ気持ち悪い思いをしてたんだけどこのシーンの戯画ぶりに笑いが出てしまった。

まぁ、そんな感じで全体的には「ゆきゆきて神軍」的な憐れさを含んだ映画だったように思いました



「靖国」公式サイト

「靖国」

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