戦争と万博
『美術手帖』2002年8月号から始まった椹木野衣の連載批評。サブタイトル「もうひとつの戦争美術」。
日本人の暗さの頂点である戦争画と、戦後の奇形としての美術の頂点である大阪万博を重ね合わせ、戦争画、万博美術、ジャパニメーションという3つの「聖戦=戦犯美術」から日本の美術を批評する。
第一回 1970年、大阪・千里丘陵
1970年という年は、日本の近代化がとりあえずの目標を達成し、国民国家を支える経済構造が、生産の時代から消費の時代へと切り替わる分岐点に当たっていた。…(中略)… 大阪万博が打ち出した「未来」の最大の問題は、せめて「生産」から「消費」へのパラダイム・チェンジを示すことによって、「未来」を「未知=これから生産すべきもの」から「既知=すでにあって消費すべきもの」へと変質させるべきところを、さらなる「生産」モデルへと向けて無理矢理、推し進めてしまったことにある。
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